出版社内容情報
現代の女性俳句に多大なる貢献をした俳人飯島晴子。その作品は現在でも高く評価され続けている。本作は晴子と俳句の出会いから「鷹」への参加、蛇笏賞受賞、そして自死という波瀾万丈の生涯と残された句をひもとく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yumiha
24
私が深く敬愛する俳人、飯島晴子についての評論集である。著者の山地春眠子は、まとめられた句集にはないが同人誌『鷹』に掲載された句や句帳のメモ、インタビュー、また「(句を)考えていると、ついついおせんべいなど食べちゃう」といった普段着の晴子まで書き記して、その人柄まで見えるような評論にされた。「男らの汚れるまへの祭足袋」「寒晴やあわれ舞妓の背の高き」「初夢のなかをどんなに走ったやら」の句のように、晴子の視点は意外性があり、措辞は的確である。ときには、俳句にこんな言葉遣いをしてエエん!?と思う句もある。→2015/10/04