出版社内容情報
歌壇の奇才辻井竜一が放つ待望のベスト短歌集。第一歌集収録の「総務課の田中」を含む393首を掲載。装丁は、数々の有名アーティストのCDジャケット、PVを手がける永石勝氏。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
60
5・7・5・7・7のリズムに乗せたロックンロール。作者は歌誌の編集人の傍ら、トランスロックバンドの活動も行っているらしいですね。章立ても『ライク・ア・ローリング・ストーン』『パンクス・ノット・デッド』などロックアルバムのベスト盤みたい。門外漢の目にも、短歌の約束事を踏んでいない歌が多いと感じます。深夜、眠りにつく前に書き綴ったという歌には、寝言?としか思えないものもあったけど、真っ直ぐに心に響く歌がいくつもありました。自分の内面をさらけ出し、シャウトするような言葉たち。こんな歌なら作ってみたいかも。2014/12/09
はち
2
現代仮名遣い、口語、強烈な飛躍もなく、読みやすいのだが…。傷つきやすい世代のための歌集、というべきかもしれない。この歌集では孤独であったり、失望であったり、マイナスな心情しか歌われてないが、なんせ文体ゆえに軽い。軽すぎる絶望。そうだ、これがロックだ。おまけの総務課の田中がツボすぎてこれには付箋を貼りませんでした。全部素敵。2014/10/31
衣魚
0
何か現代短歌が読みたいと思って手に取った。はみ出し者系でも穂村さんとはまったく違う。傷ついているのに弱くなく、ゴツゴツ否定してゴリゴリ塗り直す強さ。2014/05/15
toron*
0
あの人はちょっと映画の観過ぎだと言われるような僕でありたい 完全にぶち切れておりますがゆえトマトケチャップ瓶でください とりあえず今日をサヴァイヴすることだ自転車をこぐ辻井竜一 各章の題は何処となくミッシェルガンエレファントっぽさがあって、けっこう読んでいて楽しい。歌のなかにあまり具体を詠み込んでいなくて、そのため歌詞を読んでいるような雰囲気があった。その章題をも含め意図的につくっているような気がする。「眠る」が多く詠み込まれてるのも人生を連続ではなく、一日単位として捉えているからなのかもしれない。2020/12/14
やす
0
ロックと短歌とやさしさとひらきなおり。好きに生きていいんだよ。作者の優しいメッセージ2019/11/26