出版社内容情報
太箸に遠つ淡海の光かな
月刊『俳句』創刊60周年記念句集シリーズ、第一回配本。物理学者として、また俳人としても、日本のみならず、世界各国で活躍する著者の待望の新句集。現在、NHK教育テレビ「NHK俳句」の選者としても活躍中。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
santana01
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有馬朗人「天為」主宰の第九句集。第28回詩歌文学館賞受賞。齢八十を越えて、幾つ肩書きを持っているのだろうかと思いたくなるほど御多忙の様子で、本句集でも海外詠、旅吟が約半数を占める。海外詠が多いと読んでいて楽しいのだが、感動を共有できないもどかしさが付き纏うのが残念。「古日記死して軽重秤らるる」「蟻地獄蟻に食はれてしまひけり」「夢殿に夢見て蝶の凍てにけり」「シシリアの角笛を吹く五月かな」「金輪際裂けぬ構への通草かな」「春の鹿滝の裏へと廻りけり」「送り火の炎の向きの変りけり」2013/04/02