出版社内容情報
生きるため、うさぎレースで走り続けるジャッキー。マガモ一家、初めての冒険。人間に捕まった子ギツネと、助けようとする母ギツネ。美しい雄ジカと、狩人ヤン。衝撃の結末が心をゆさぶる、シートン動物記第二弾!
内容説明
人間につかまり、生きのびるため、死のレースを走りつづけるウサギのジャッキー。母さんマガモと、赤ちゃんマガモたちの、はじめての大冒険。夫と子どもを人間に殺され、生けどりにされた最後の子を助けようとする、母ギツネ・ビックスの強くかなしい決断。美しい雄ジカと、その雄ジカを追いつづける、若い狩人のヤン。自然に生きる動物たちの、本当にあった物語。読めばもっと動物がすきになる。感動の名作!小学中級から。
著者等紹介
シートン,アーネスト・トムソン[シートン,アーネストトムソン]
1860年、イギリス生まれ。5歳の時、父の仕事でカナダに引っこし、大自然の農場でたくさんの動物や植物にかこまれた少年時代を過ごす。これらの経験をもとに、動物物語をたくさん書き残した。画家としても活躍。1946年、86歳で死去
越前敏弥[エチゼントシヤ]
1961年、石川県金沢市生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白蓮
7
引き続き「シートン動物記」です。角川つばさ文庫版は1冊に4編が基本のよう。今回の4編は何かしら人間が絡む話でした。心優しい人間が子ガモの命を救い、群れに戻してやるという話もありましたが、動物からすれば人間は恐ろしい敵。そこを美化することなく淡々と描くのは学者ならではだと思いました。我が子に溢れる愛情をそそぐキツネのビックス母さん。人間に捕えられ、鎖に繋がれた我が子への愛は悲しい結末で終わります。これは愛なのか?動物の本能なのか?救われない思いで読み終えました。2015/11/15
ファーラス
5
19世紀末のアメリカの、今と大きく違う倫理観が滲み出る本。生物の生死を弄ぶ娯楽は悪趣味に映るとしても、むしろ食肉を当然にしながら動物と人間がフェアであると思える現代人の方が、この作中の人達からは理解できない存在かもしれない。ほぼ全てを本能で行っているかのような野生動物の行動が、体験者らの観察から文章に起きれば「種として生存に特化した思考」のように映ってくるのだから、興味深い。ただ、今の児童~中学生は読みたがらず、親は読ませたがらない(または読めない)だろうな。2016/11/01
サラサラココ
3
小1。いちばん面白かった話は、表題の「サンドヒルの雄ジカ」。2020/03/31
timeturner
1
今の感覚からすると気恥ずかしい、自分に酔ったようなロマンチシズムもたまにあるけど、自然と動物をまっすぐに見る視点は新鮮で、いろいろなことを考えさせられる。しかし、キツネの話のラストは衝撃的。ほかになんとかやりようがあったのではないか、と思う。2014/08/10
春木
0
シートン動物記は、子供の頃の愛読書だった。覚えている話もあれば、忘れてしまっている話もある。ただひたすらに、懸命に生きる動物の姿は美しい。母狐ビックスの最後の決断には、涙。2014/07/10