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内容説明
19世紀のパリ。夜の闇にとける赤いネオンサインで男たちを誘う館があった。高級店スファンクスでの饗宴、どんな欲望も満たされる部屋で演じられた物語、20年代にメゾン・クローズを訪れていた日本人の姿―。娼婦の館と娼婦たちの世界に踏み込み、パリの夜の闇に迫る画期的な文化論。
目次
1(大きな赤い番地の光;博士の異常な執念;隔離された女たち ほか)
2(スファンクス;高級店の標準装備;愛と苦しみの部屋 ほか)
3(娼婦と愛人;娼婦登録制度;娼婦と性病 ほか)
著者等紹介
鹿島茂[カシマシゲル]
1949年、横浜市生まれ。1973年東京大学仏文科卒業。1978年同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在明治大学国際日本学部教授。フランス文学者。エッセイスト。著書に『馬車が買いたい!』(白水社、サントリー学芸賞)、『子供より古書が大事と思いたい』(青土社、講談社エッセイ賞)、『職業別パリ風俗』(白水社、読売文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
57
大戦間のパリの娼婦についてのエッセイ。公娼の許可制度の仕組みやいかにして娼婦になるのか、など豊富な資料を引用し語る。仏単語として店名が定着した有名娼館など。性を商売にするアイデアは現代日本でもあまり変わらず。当時の遊び人の日本人が書いた手記で「宝石ばあさん(76)」の記述に爆笑。というか今の夕刊紙の風俗記事とまったく同じやないか。「鳥男」にも脱力。気楽な読み物として。凝った装丁も楽しい。この本は続編があるようだ。娼婦の歴史は語ることが多いようだ。2017/04/28
ごへいもち
24
この本を書くのにまた借金が増えたのだろうか、とか思ってしまう2017/05/21
あび
10
鳥男とか馬男とか、金持ちの変態プレイの話が面白かった。身体じゅうにローションを塗って、枕を裂いて中から羽を取り出して身体にまぶしていく。そして鳥になりきって奇声をあげながら部屋を走り回って、女の人に叱ってもらう。上級者すぎですね。笑った。2019/01/20
kenitirokikuti
9
図書館にて。パリ、19世紀から20世紀前半の娼館の様子を描く▲国立国会図書館の戦前発禁本コーナーを見ると、エロものは昭和5年ごろに集中している(島洋之助『童貞の機関車』もリストに)。鹿島の推測では、左翼運動を抑制して大衆の目をエログロナンセンスに向けようと政府が検閲方針を変更したが、ゲリラ出版社が先に動いちゃったせいではないかとしている。オカルト系の紹介・翻訳者、酒井潔にも『巴里上海歓楽郷案内』てのがある。2018/09/29
詩歌
8
男性の勝手な解釈から生まれた「まっとうな女性の目に触れない範囲に囲い込まれ、閉じ込められた娼婦たち」の家、メゾン・クローズ。1930年代仏。当時考えられていたレズビアン発生メカニズムが可笑しい。2014/05/05
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