内容説明
大正最大のアナーキスト・大杉栄とともに虐殺された、「青鞜」最後の編集者・伊藤野枝の、恋と革命に生きた生涯を描く、伝記小説の傑作。昭和の大ベストセラー、米寿記念として復刊。
著者等紹介
瀬戸内寂聴[セトウチジャクチョウ]
1922年徳島生まれ。作家・僧侶。京都の寂庵、岩手の天台寺で、法話や写経の会を定期的に行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みつき
33
伊藤野枝の半生を描いた作品。親族のインタビューや当時の手紙の文面を取り入れるなど、野枝を囲む者達から徐々に彼女の姿を浮き彫りにしていく手法は、いかに彼女が身勝手で、自由思想、女性解放という名のもとに、自己の行いを正当化していたのかがよくわかりました。彼女の野暮ったさや、男に媚びたような艶めかしさを女性ならではの観点で上手く描き出しているのはさすが。らいてうや神近市子の葛藤や苦悩は現代の女性でも共感できるし、彼女達が後世に残したかった思想というのは、現代の女性の生き方に影響している部分は多少あると思う。2013/02/24
コニコ@共楽
22
村山由佳さんの『風よ あらしよ』を読んで、寂聴さんの伊藤野枝の小説も読みたくなった。『美は乱調にあり』の鮮やかな表紙に惹かれる。藤原新也さんの装丁だ。表紙からも野枝だけでなく、平塚らいてうや、神近市子のことなど、熱情を感じさせるものがあった。冒頭の寂聴さんの、野枝の娘、魔子とのインタビューが新鮮な野枝像を思わせて印象的だった。読んでいて、このページ数では、野枝の最期まで行きつくのかと思ったが、やはり、中半で終わっていた。大杉栄の後半の言葉、『諧調は偽りなり』で完結するという。続きも読んでみたい。2022/02/02
しん君
11
伊藤野枝の評伝小説を1965年寂聴さん43才の時に書いたもの。先に読んだ『風よ あらしよ』では愛欲に耽るみたいな筆致が村山由佳氏らしさと思ったが、本作がより女の情欲を強く感じる。大杉栄をめぐっての四角関係を演じ、葉山で神近市子との修羅場を迎えたところで物語は終わり、続編へ。大正時代はネットどころかテレビすら無いわけで、文字の力がこんなにも大きかったのかとか、思うことが沢山ある小説。著者が野枝の娘や妹らに会っていたことに驚いた。2021/07/11
ももみず
9
大杉栄と伊藤野枝の評伝というよりも、明治から大正にかけて、新しい男女関係のあり方にもがく知識人たちの苦闘の記録として読んだ。人間は、男も女も、皆弱くて愚かである。だから男と女のどっちが上とか下とかは存在しない。ただ、その弱さや愚かさの種類が、男と女では少し違っていて、だから人間は異性を求めるのだろうなと思った。2014/07/07
nonpono
8
平成22年に復刊。金原ひとみが帯に「愛し、戦い、惑い、燃えた。狂乱に狂乱を重ねた、一人の女の儚い人生」と寄せる。元は1969年の角川文庫の伊藤野枝の人生、前半。初めての旦那は学校の先生であった、辻潤。「青鞜」には自ら、手紙を投稿。大杉栄との出会い。この時代、手紙がキーポイントに。フリーラブのようなことをとなえる大杉栄ですが現実はうまくいかず、野枝に夢中に。支えてくれた体の弱い妻とバリバリの新聞記者と野枝との三角関係へ。そしてあの事件へ。わかりやすく瑞々しい文体で物語で物語は進んで行く。続きが早く読みたい。2023/08/06




