内容説明
父や師の三橋敏雄のこと、戦争、少女時代の思い出、詩や文学、俳句の友人たち、好きな季節や植物など…。軽みの中に人間味のある温かさと、時に風刺の効いた口語文体で独自の俳句世界を開拓している著者の、待望の初エッセイ集。
目次
月
雪
花
時鳥
狼
霞
著者等紹介
池田澄子[イケダスミコ]
1936年3月25日、鎌倉市生まれ。新潟で育つ。堀井鶏主宰「群島」を経て、三橋敏雄に師事。所属:「船団」「豈」「面」(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆうゆうpanda
50
句集『たましいの話』と並行して読んだエッセイ。従軍医師だった父を戦病死で失う。遺骨は戻らず、遺品の中には「防空壕のなかで~心が一つの元素のようになって唯空間に浮いていると言った感じ~」と書き付けた葉書が。父に対する思慕と人の生死について考える種を心に植え付けられた少女は、詠まねばならない人となった。吟行や即吟が苦手で、時間がある限り推敲するという池田氏。その頑固さ健気さの奥には父の言葉を俳句で体現しようとする理想があるのではないか。死と相対する生き辛い気性。師三橋敏雄も亡くなり更に険しい道程が想像される。2016/09/12
peace land
3
父を戦争でなくした多くの遺児たちの思いが込められていると思った。戦争は戦死者を出すだけでなく、周囲の人たちの運命を変えてしまう。 体から沸き起こるような俳句を作る著者の強さと悲しさを思った。2022/05/13
せっか
2
二人の父親、師三橋敏雄の寵愛を受けた俳人。作句を始めた当初に「あなたにしか詠めないものを詠みなさい。」と言われ続けたことが今のオリジナリティを確率したんだなぁ。オリジナリティ大事。2021/04/19
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