内容説明
恋愛は中世ヨーロッパで「脳内恋愛」として発明され、大衆に普及する中で恋愛資本主義システムにドグマとして取りこまれていった。そして今、癒しを求める現代人が脳内恋愛を再発見する時が来た。著者渾身の自信作。
目次
1 理論篇―恋愛とは脳内現象である(恋愛がセックスにすり替えられた現代社会;現代は、「セックス翼賛社会」だ;一二世紀ヨーロッパに発生した「恋愛」とは、「異性の下僕になること」だった ほか)
2 評論篇―脳内恋愛の諸相を探る(「転身物語」と「電影少女」ピグマリオン;『饗宴』の両性具有論と「らんま1/2」両性具有;カタリ派の弾圧とアキバ系差別 現実か仮想か ほか)
3 実践篇―脳内で物語を紡ぎ自らを癒す(幼児期の「脳内初体験」;アニメによって決定づけられた恋愛志向;偽善者の群れの中には入らない ほか)
著者等紹介
本田透[ホンダトオル]
評論家、作家。1969年生まれ。高校を中退後、大学検定を経て早稲田大学入学。出版社勤務を経てフリーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まあい
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論拠を示しながら脳内恋愛を勧める。脳内恋愛に関しては全面的に共感したが、三章の自伝は評価が分かれるかもしれない。2014/05/29
とやぬ
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《人が恋愛する理由》《二次元に対する愛は病気ではなく人間なら皆一度は体験する古代から行われている正常な事である》という本。自分は仕事も趣味も筆者と同じくアキバ系に属している人間であり、二次元のキャラクターに対する愛は非常に分かる。非常にわかる故にあまり触れない事にする。ただ、自分は脳内恋愛だけで人は生きていけるとは思っていない。ピグマリオンも結局妄信していた純潔の乙女はぬくもりを抱いた乙女になっている。最後は二次元じゃなくて三次元なのだ。…と私は思っているという事を再確認した。2012/03/14
hikarunoir
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極論に見えるが、見当違いではない。しかし別にその対象がふざけた絵である必要もない。2011/03/11
辰城
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この著者はなんつーか、アキバから来たツァラトゥストラって感じですね。別に秋葉原出身ではないけども2008/02/20
やいとや
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恋愛を視点の中心に据え、文学、歴史、哲学を解釈し、最終的には二次元への逃避(雄飛?)へ至ろうとする本。もてないって事を持てる知識を総動員して自己弁護した所、こういう形に結実した訳だ。しかし、結論ありきで始まっている論陣は時に強引であり陳腐な面も多い。どっかで見たような解釈の集積本。2019/02/28