内容説明
子規・虚子・蛇笏・立子・汀女など屈指の俳人25名の250句を多面的に鑑賞。俳句という極小の器に盛られた自然と人生のドラマを読解し、作品の勘どころを指摘。発想、表現、語感等の特性を論じつつ名句の秘訣に迫る。
目次
正岡子規
高浜虚子
飯田蛇笏
渡辺水巴
原石鼎
前田普羅
水原秋桜子
高野素十
山口誓子
阿波野青畝〔ほか〕
著者等紹介
行方克巳[ナメカタカツミ]
昭和19年、千葉県八街に生れる。昭和38年、千葉高等学校卒業。慶応義塾大学文学部入学。慶大俳句に所属、爾来、清崎敏郎に師事。昭和48年、慶応義塾中等部に勤務。平成8年、西村和子と「知音」創刊。句集に『知音』(昭和62年刊、第11回俳人協会新人賞)など
西村和子[ニシムラカズコ]
昭和23年、神奈川県横浜に生れる。昭和41年、実践女子学園高校卒業。慶応義塾大学文学部入学。慶大俳句に所属、爾来、清崎敏郎に師事。昭和56年、「若葉」同人。平成8年、行方克巳と「知音」創刊。句集に『夏帽子』(昭和58年刊、第7回俳人協会新人賞)など。評論に『虚子の京都』(平成16年刊、第19回俳人協会評論賞)
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感想・レビュー
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3
行春やうしろ向けても京人形(渡辺水巴)鮎の背に一抹朱のありしごとし・蟻地獄松風を聞くばかりなり・ひつぱれる糸まつすぐや甲虫・空をゆく一とかたまりの花吹雪(水原秋桜子)七月の青嶺まぢかく熔鉱炉・ひとり膝を抱けば秋風また秋風(山口誓子)さみだれのあまだればかり浮御堂・牡丹百二百三百門一つ・鮟鱇のよだれの先がとまりけり(阿波野青敏)あはあはと富士容あり炎天下・祖母山傾山も夕立かな(富安風生)言ひつのる唇美しや春寒く・小包を解くやころころころと柿・夏布団ふはりとかかる骨の上(日野草城)2019/03/02
はるお
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収録された句数は多くないが、一つ一つの俳句に、丁寧な観賞がつけられている。じっくり読みたい。2015/07/08