出版社内容情報
「なぜか生きるのが苦しい」――その正体は、あなたの性格ではありません。仕事が続かない、人間関係でいつも躓く、将来に希望が持てない……。あなたが抱えるその「生きづらさ」の根源には、子ども時代の逆境体験(ACEs)が潜んでいるかもしれません。
本書は、近年のデータサイエンスで明らかになったACEs(逆境的小児期体験)を軸に、過去の傷がどのように現在の心身、そして人生の選択に影響を与えているかを解き明かします。しかし、本書の目的は過去を掘り返して悲観することではありません。日本の「家族依存社会」という構造や、孤立を招く社会的背景を紐解きながら、トラウマを「個人の責任」にしない新しい回復の形を提案します。
その鍵となるのは、「環境調整」と「PCE(肯定的な小児期体験)」です。安心できる場や他者の力を借りて、心と環境を整え直すことで、人は何歳からでもレジリエンス(回復力)を育むことができるのです。
生きづらさを抱える自分を責め、一人で頑張り続けるのではなく、自分を育てる旅をとおして回復への道のりへ導く一冊です。
【目次】
第1章:あなたの「生きづらさ」の正体
・「生きづらさ」の根源は、あなたの性格ではない
・「生きづらさ」を個人の問題で終わらせない
第2章:過去の傷が残す「見えないシステム」
・データが解き明かすACEs
・家族・集団に刷り込まれた「ゆがんだ価値観」の正体
第3章:傷が癒されないままだと、何が起きるのか
・ACEsが人生に与える長期的な影響:心と体の繋がりを理解する
第4章:環境の力で心を回復する「環境調整による行動変容」
・回復の主体は「私」と「環境」の協働である
・安全な場・集団・コミュニティで回復を目指す
・PCEを増やすことで、過去の傷を癒す
第5章:あなたは一人じゃない
・回復とは、時間をかけた「自分を育てる旅」
内容説明
病気・低学歴・失業・貧困・孤立…。こうした複数の困難が重なっているとき、多くの人はまず「自分の努力不足だったのではないか」「自分の性格や能力に問題があるのではないか」と考えがちです。しかし、世界中で行われてきた研究をていねいに読み解くと、こうした人たちには、別の共通点が見えてきます。それは、「子どもの頃に育った環境」です。子どもの頃の逆境体験が、大人になってからも長く影響をもたらし続けるのです。
目次
第1章 あなたの「生きづらさ」の正体(「生きづらさ」の根源は、あなたの性格のせいではない;ACEsとは何か ほか)
第2章 過去の傷が残す「見えないシステム」(データが解き明かすACEs;ACEs研究の始まり ほか)
第3章 傷が癒されないままだと、何が起きるのか(ACEsスコアと「生きづらさ」の関係性;ACEsはどのような疾患・症状につながるのか ほか)
第4章 環境の力で心を回復する「環境調整による行動変容」(回復の主体は「私」と「環境」の協働である;スキル・対処方法を知らなければ現状は変わらない ほか)
第5章 あなたは1人じゃない(「回復」の定義を書き換える;サバイバーたちのその後 ほか)
著者等紹介
和田一郎[ワダイチロウ]
社会福祉士、精神保健福祉士。筑波大学大学院人間総合科学研究科修了。博士(ヒューマン・ケア科学)。茨城県職員として福祉事務所や児童相談所等に勤務。2013年度より社会福祉法人恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所主任研究員として研究活動を始め、2022年より獨協大学国際教養学部教授。専門はデータサイエンス、子ども論、社会福祉マクロ政策など多岐にわたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



