出版社内容情報
NHKカルチャー講座で大好評を博した「古代ギリシャ・ローマ魔術史~占術、呪術、防衛術、錬金術まで」の内容を大幅に加筆。呪文や呪術、恋愛魔術に死霊術……古代ギリシャで発展したさまざまな魔術を取り上げ、実際の史料とともにその歴史をひもときます。
魔術のかけ方や実際に使われた魔法アイテムは本邦初公開のものばかり。
さらには魔法陣や天体魔術史の年表まで――古代ギリシャをより深く知る歴史書として、エンタメをもっと楽しむためのガイド本として、読んで、眺めて、楽しい1冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐倉
14
古代ギリシャにおける魔術、呪術、錬金術といったオカルト的な側面をシシン先生が解説してくれる一冊。呪詛板について「例文丸写しの例があることから専門家の仕事ではなく小規模な地場産業」「知らない人の悪口が書かれた板など誰も欲しがらないので今日まで残っていた」、神を召喚する呪文は「神様にお前の個人情報を握っているぞと脅すもの」、占星術は「適切な知識を披露することで神秘の鍵を開くパスワード」と分かりやすい(時々身も蓋もない)例えをしてくれるので神秘の衣とのギャップが激しいところが面白い。豊富な注釈・参考文献も光る。2024/06/09
アカツキ
10
古代ギリシャの魔術を解説した本。題材はオカルトだけど解説は怪しいものめいたことはなく、古代ギリシャの文化や考え方を伝えるもので興味深い。絵や写真も豊富、コミカルな文章で楽しく読める。藁人形よろしく像に釘をぶち込んでいる写真は一見すると禍々しいが、相手の心を自分に向けさせる恋愛魔術。うっかり見つけたら怖くて百年の恋も冷めそう。ちょこちょこミスっている資料の話があってほのぼの。おっちょこちょいでも魔術は成功する…?2024/11/04
オズ
8
魔術や錬金術について書いている。アレクサンドロス(イスカンダル)大王が、魔術師バリーナースの力を借りて「魔女竜」を倒すエピソード。ドラゴンスレイヤーかー。 竜に変身していたのはゾロアスター教の巫女であるアザル・フーマーイーン。神殿を守ろうとしていた。ドラゴラムだ。 バトルの末、美しい魔女に恋する5秒前のバリーナース、チョロすぎる! 本書ではバリーナース伝6・7(ペルシャ詩人ニザーミー『イスカンダル・ナーマ』第32歌)2024/08/10
このみ
8
古代ギリシャは、紀元前8世紀にエーゲ海のほとりで幕を開け、紀元後5世紀までの1300年間、多くの都市国家を有し発展した。この本は魔術を扱っているが、魔術の正体とは「普通ではない」こと。現代の学問の分類によって、現代人の目から魔術に見えるものだけを選んでカテゴライズしているという視点が興味深い。錬金術の章では、ハリー・ポッターの「賢者の石philosopher's stone」の元ネタの石も出てくる。闇の魔術に対する防衛術は貴石に刻んだ故に現存していないが、隠された呪詛の金属板は2000年後に残される妙。2024/08/03
seraphim
5
古代ギリシャの魔術に関する本。NHKの講座で著者が教授したことをベースにして書かれた。参考文献も紹介されているので、この本を入門書としてもっと深く学ぶこともできるようになっている。色々な魔術が紹介されていて、ファンタジーが好きならば興味を持つのではないかと思う。古代ギリシャ人達が、どのように暮らしに魔術を取り入れていたのかも知ることができて面白かった。2024/08/22
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