内容説明
日本海軍最後の、そして最大の戦艦「武蔵」はいかにして誕生したのか。最高の技術を注ぎ込んだ「不沈艦」といわれながら、なぜ、わずか八百日で海底に沈んでいったのか―。本書では、戦艦「武蔵」の生涯をわかりやすく解説。さらに、建造関係者や「武蔵」に乗艦した人々の回想・証言をもとに、あらためて戦艦「武蔵」の真実を掘り起こす。
目次
第1章 戦艦「武蔵」の誕生(戦艦「武蔵」とはなんだったのか;「大和ホテル」と「武蔵屋旅館」の日々;秘密保持―長崎造船所における「武蔵」の建造)
第2章 私は戦艦「武蔵」で戦った(世界に誇る戦艦武蔵;武蔵副長の回想;シブヤン海の対空戦闘;電灯つけたまま「武蔵」は沈んだ;私が体験したシブヤン海の修羅場;防空指揮所から見た「武蔵」の奮闘;シブヤン海、二千四百名の戦い;艦長、艦と運命を共にす)
著者等紹介
戸高一成[トダカカズシゲ]
1948年、宮崎県生まれ。多摩美術大学美術学部卒業。(財)史料調査会理事、厚生省(現厚生労働省)所管「昭和館」図書情報部長などを経て、2005年から現在まで、呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)館長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
9
海底に眠る武蔵を捉えた写真では、各部が本当に綺麗に残っていて驚くとともに今も艦を枕に眠る英霊への哀悼の念を新たにする。武蔵発見を機に編まれた証言集だが、建造関係者や将兵が残す証言こそ重要と改めて実感。吉村昭の本の誤記も分かり、読み物と記録との間には厳とした差異があることが知れる。真摯に書かれても文学にはその限界があるので歴史を学ぶ際には注意が必要。傑作戦艦を建造した日本を誇るのは勿論だが、最期の悲惨な対空戦、沈没と漂流の地獄と救助後の更に残酷な運命、と武蔵乗組の将兵が辿った歩みにもしっかり目を向けねば。2015/08/02
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