出版社内容情報
開創1200年記念! 弘法大師の生涯と伝説を10のキーワードで探り、聖地・高野山の歴史と見どころを完全紹介! 夢枕獏氏のインタビューや密教の基礎知識も掲載した、読み応え抜群の1冊。
内容説明
高野山金剛峯寺で入滅し、いまも人々を救済しているとされる空海の謎に包まれた生涯と、複雑な密教の教えをわかりやすく解説しながら、空海と高野山をめぐる謎に迫ります。月刊『歴史読本』二〇一五年二月号特集の文庫化。
目次
第1部 空海と高野山への誘い(空海が描いた新しい宗教世界―独自の空海像と、そこから広がる密教世界の魅力;密教の基本Q&A―空海がもたらした教え;高野山千二百年の軌跡―繁栄と危機・再興の歴史;高野山 見どころガイド―天空の仏都をたずねて)
第2部 空海をめぐる10のキーワード(出自―謎多き誕生年と出身地;修行時代―栄達を捨て仏門を選んだ真意;入唐求法―中国密教の正統なる後継者;最澄―二人の「確執」の実態とは?;高野山―空海を導いた二神の正体;即身成仏論―真言密教の教義の精華;マンダラ―視覚化された悟りへの道程;天皇―最上の権威を手に入れる;入定伝説―最期をめぐる伝説と信仰;中世神道―空海入定後の両部神道)
第3部 空海と高野山をより知るために(全国に広がる空海伝承の謎―なぜ、似たような話が各地にあるのか?;「書聖」空海の書を読み解く―後世まで讃えられる理由;もうひとつの聖地「女人高野」―だれが女性を救ったのか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
韓信
1
今年は高野山に参詣するので、ガイドブック代わりに購読。日本史・仏教史等の研究者による解説コラムで空海の生涯と高野山の沿革、密教の基礎知識に触れる月刊『歴史読本』の文庫版。当時の妻訪婚から、空海の生地は一般に信じられている善通寺ではなく、母方の阿刀宿彌氏のいた畿内とする推定、丹生都比売命を地主神とする高野山は古来から丹(水銀)の交易(あるいは産出)が行われており、空海はその権益に注目してここを選んだとする推定など、興味深い説も散見。水銀に関しては、利権や仏像のメッキ以外にも服丹のために必要だったのだろう。2015/07/08