内容説明
日本史上最大のクーデター「本能寺の変」で織田信長を討った明智光秀は、裏切り者の代名詞として人口に膾炙している。しかし、実際の光秀は新参者でありながら織田軍団のトップに立ち、信長の絶大な信頼を受けていた。そして、「本能寺の変」後に窮地に陥ったときも、家臣の誰ひとりとして光秀を裏切る者はいなかった。それはとりもなおさず、光秀の誠実な働きと人柄によるものだった。「謀反人」と呼ばれた男の、誠実な生き方に学ぶ。
目次
序章 誠の人・明智光秀
第1章 自らを磨き続ける
第2章 二人の主君を持つ
第3章 人生の転機を見逃さない
第4章 危機のときこそ粉骨砕身
第5章 「脱皮」すべき時を知る
第6章 敗者への処遇
第7章 成功後に失敗に備える
第8章 違和感を封じ込めない
第9章 守るべきもののために
第10章 ハイリスクに賭けるということ
終章 桔梗の紋―それからの光秀
著者等紹介
江宮隆之[エミヤタカユキ]
昭和23年生まれ、山梨県出身。中央大学法学部卒業後、山梨日日新聞入社。編制局長・論説委員長などを経てフリーに。昭和63年『経清記』で第13回歴史文学賞、平成7年『白磁の人』で第8回中村星湖文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スー
19
68怨恨説を否定していて信長の光秀いじめは後世の創作としています。光秀が信長に違和感を感じ始めたのが長宗我部問題と甲斐進攻戦だった。光秀は誠実で家臣と民衆を労る人で真逆の信長に危険を感じ謀叛したという内容でした。2021/05/16
BIN
7
部下、民など誰に対しても誠実に接してきた明智光秀の伝記?。本能寺の変における怨恨説のエピソードはそりゃ謀反してもおかしくないと思っていたが、それが悉く創作だったとは。信長を猜疑心の強い小心者とか言ってるのは確かにそうだなと思いちょっと面白かった。半分小説風に書かれているのでどこまで資料に基づいているのかわからないところがちょっと残念ですが、全般的にわかりやすく書かれてました。現代企業で例えるのは不要ですね。2016/05/09
逍遥遊
6
2-02-20180103 ★★★★★ベストブック!面白いです。これを読むと明智光秀が如何に有能な人物であったかが理解出来ます。最近の新説も紹介されており、常に座右に置いときたい本です。こういう生き方を私もしていきたいです。頑張るぞー!2018/01/03
高山
4
今まであったような自分の為に信長を討ったという仮説ではなく。万人に平等に誠実であった光秀が、万人に無礼で傲慢な信長を、その誠実さの為に見過ごせなく討ったというのが。今までのイメージと全く違って面白かったです。2015/05/24
natsu
3
光秀の出自などを客観的に分析して、こちらが理解しやすいようにまとめて書いてありました。読んでる途中に、光秀が好きだという筆者の気持ちが少し覗くのですが、全体的に光秀の肩を持つばかりではなく、やはり客観的に光秀の事が書いてあり読みやすかったです2015/02/27