内容説明
時刻表好きの少年は、終戦の日も定刻通りに走る汽車を忘れなかった。さりげない日常の点描が、激動の時代を語る。鉄路が結ぶ忘れ得ぬ心の情景。
目次
増補版時刻表昭和史(山手線―昭和8年;特急「燕」「富士」「桜」―昭和9年;急行5列車下関行―昭和10年 ほか)
時刻表おくのほそ道(三菱石炭鉱業大夕張線;野上電気鉄道・有田鉄道・紀州鉄道;津軽鉄道 ほか)
終着駅へ行ってきます(根室―根室本線;根室標津―標津線;十勝三股・糠平―士幌線 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maqiso
4
『時刻表昭和史』は時局がどんどん悪化する中でも鉄道に乗っていたことが一種の記録になっている。時刻表を見られなくなっているの痛ましい。『時刻表おくのほそ道』は今はないような細々とした私鉄がメインで面白い。遠鉄が浮いている気がするが。2024/10/18
笛吹岬
3
本書に含まれる「時刻表昭和史」は、回顧録を客観的に補強する資料としての時刻表の有益性が見て取れ、鉄道好きの紀行文の域を超えていると思う。確かに「月報」では原田勝正氏が「宮脇紀行文学の「芯棒」の位置を占めているのではないか」と言っている。2019/07/28