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出版社内容情報
こんなに愛おしくて、かなしくて、優しくて、あたたかい河童がいたなんて。
――つづ井さん『とびだせ! つづ井さん(文藝春秋刊)』
飢饉の時代、暮らしが困窮していくある農民の家族。
家長であるお父からの非情な命令に、
おっ母はパキチの手を引き、静かに川へと向かう。
子供への愛情と、抗えない現実の狭間で、親子の運命は……。
Xで大きな反響を呼んだ感動の読切版『河童のパキチ』が、満を持して連載化!
これは、悲しくも温かい河童の御伽話。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kokekko
5
人間の身勝手さと、救われることと救うことを、奇跡的なバランスで描いている絵本のような作品。俯瞰で見ると全く救いのない、悲惨さの中でおままごとをしているような話なのだが、うんと寄ってみてみると、ささやかな幸せに溢れている不思議なお話。「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇」というチャップリンの言葉があるが、これはその真髄を、逆のやりかたで描いているように思う。2026/09/17
s_s
4
先日読み終えた短編集『おじさんの塀』にも読切版が収録されていたが、今作はその連載版。パキチが河童として生きていく、その暮らしぶりが描かれる。村が不作による飢饉に陥り、口減らしの為に捨てられ川に流された少年・パキチがどこまでも純真無垢で、だからこそ小さな子供でさえ村で生きることが許されなかった現実が重くのしかかる。短編集からも見て取ることが出来た柔らかで丸みのある描線は健在で、シリアスな題材とは裏腹に可愛らしささえある。愛と祈りの妖怪として、健気に生きるパキチの道程や行く末を最後まで見届けたいと思う。2026/09/21




