内容説明
間近に迫った新聖祭に向け、砂糖菓子作りに余念のない、銀砂糖師アンと仲間たち。その矢先、ペイジ工房の優秀な職人が襲われた!襲ったのは、銀砂糖師襲撃事件を起こしていた、美貌の妖精ラファル。しかもアンは、戦士妖精シャルに異常な執着を示す彼に人質にとられ、シャルと共にさらわれることに!囚われの身となりながらも、新聖祭を思い気が気じゃないアンだけど…!?面白さ抜群!待望の第六弾。
著者等紹介
三川みり[ミカワミリ]
第7回角川ビーンズ小説大賞審査員特別賞受賞。「シュガーアップル・フェアリーテイル銀砂糖師と黒の妖精」にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひめありす@灯れ松明の火
68
シャルとラファルと妖精王の確執におぉっとしたり、シャルとアンの切ない両片想いにはぅっとしたり、ペイジ工房の職人魂にわぁっとしたり色々賑やかな一冊でした。が、一番印象的なのはブリジットの成長です。工房長のグレンさん凄くいい人だけど、ちょっと表し方を間違えたちゃったかも。娘を遠ざけたけれど、きっとブリジットにとっては寂しいだけだったんだろうな。諸々軽々飛び越えて見えるアンが羨ましくて憎らしかった。職人と一緒に作業する嬉しそうな彼女の姿に心が弾みました。神聖際、すごく綺麗だったんだろうな。再現を見てみたいです。2014/02/16
ダージリン
34
急にファンタジー色が濃くなって(妖精王とか)面白かったです。ラファルの野望が退けられたけれど、絶対生きのびてる気がします。備えなければ!(笑)。そしてジョナスが更生し、キースは微妙な申し出を・・・(笑)。ラファルの余計なひと言は気にせず、ラブを進めてほしいのだが、相手のために引いてしまうのが切ないな~。2011/10/20
翔(かける)
33
第6巻。祭を彩る砂糖菓子を作ろうとした矢先、妖精ラファルに捕えられてしまうアン。ラファルの目当ては、妖精の命を長らえさせる砂糖菓子を作る銀砂糖師(アン)と弟分の貴石妖精シャルでした。妖精王を継ぐ者として人間を襲うラファルですが、妖精を自由にするんだと言いながら、仲間の妖精の片羽を奪って支配するという独裁者でもあります。憎しみと支配の連鎖について考えさせられる巻です。これで終わるわけがなさそうなので(笑)、今後妖精と人間がどういう関係を築いていくのかますます楽しみになってきました!ペイジ工房編、完結。2018/01/22
藤月はな(灯れ松明の火)
33
「妖精を人間から解放するため」と銘打ちながらも妖精の羽を取り上げるラファルの双方への復讐が哀しいです。黄玉石、黒曜石、金剛石と妖精王の縁による「自分は特別」ということは心が凍てついた頃には支えになった筈。それでもシャルはアン達と過ごした一年を基に選んだのが嬉しいです。でもラファルの事実と言う名の「呪」は両片思いの二人を縛ってしまいましたね・・・・。エリオット達もアン達を助けたくとも職人の仕事を全うしなければならない焦燥も辛かったです。とにかく、一歩、踏み出せたブリジットとオーランドに幸あらんことを。2013/03/08
ななりー
32
シリーズ第6弾。ラファルに恐怖を抱きながらも、ペイジ工房に危機が。そんな中助けてくれるキャットや成長したジョナスが頼もしい。キースも自分の行く道を決められたようで良い。アンは新聖祭に向け準備を進めるもシャルとともにラファルに連れ去られてしまう。シャルの出自も判明。ラファルの思想は間違っているけれど、妖精と人間の種族の壁というのは彼が言うように高い。お互いを想うあまりなかなか先に進めないシャルとアンが切なくてもどかしかった。そしてアンは新たな道に進むことになりそう。また過酷な道だろうけれど彼女ならきっと。2016/06/19