内容説明
時は平安。「出雲の覇権を取り戻す」―九流一族の悲願が蘇らせた荒魂。昌浩の必死な気持ちが通じ、比古は、荒魂を還す方法を探そうと、真鉄たちのもとへ戻った。が、兄弟同然に育ったもゆらの、信じがたい姿を目にした比古の心に、決定的な変化が起きる―!“贄”として九流側に囚われてしまった彰子にも危機が迫るが、そんな事情を知る由もない昌浩は―!?予想しえない大きな運命のうねりが昌浩を襲う!珂神編第四弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりもん
10
やっぱり真赭は怪しかったよ。あんなに変貌した珂神比古になったことに何の驚きもなく普通に接していた。たゆらはもゆらを殺したのは匂陣と誤解していたが、それも珂神になった側の作戦。もゆらの魂の訴えで彰子の話を信じてくれたたゆら。もゆらを信じて助けようとしたら真赭のせいで襲われてしまう。何とか昌浩との再会を果たした彰子だが、もう精神的に辛かったんだろうねという様子が一目でわかってしまうぐらい疲れていた。2012/04/24
綾乃
9
もゆらのしにより珂神として覚醒してしまった比古。大蛇との戦いに苦戦する昌浩と神将たち。 珂神編第4段では、戦いもさることながら珂神と真鉄、妖狼たちの過去、風音の後悔と紅蓮による断罪など、それぞれの心模様が中心の巻となっているのだが、紅蓮と勾陣の掛け合いにほんの少しほっとし、九流一族の過去が切ない。 ラスト、比古に襲われた彰子を助けるため、禁を破って術で人を傷つけようとした昌浩、彰子のこととなると理性を失いがちになる危うさが心配になる。2020/04/26
うみ
9
少年陰陽師第18巻!珂神編第4弾!比古が珂神に乗っ取られて、あの優しい少年の面影はなくなるわ、彰子が贄として囚われるわ、心臓がもたない!!!昌浩早く助けに来て!2018/02/19
梅みかん
8
もゆらの話が辛い。 紅蓮と勾陣のやりとりとか、六合と風音のやりとりがほっとできる。2019/06/12
ミド
7
九流一族が滅び、まだ子供なのに珂神を育てなければならなくなった真鉄がつらい。特に珂神ともゆらが騒動を起こすたびに苦労したとか。寝顔を見るだけで疲れが吹っ飛ぶというのもわかるけれど、もっと自分の幸せを感じられるようになってほしい。誰にも知られず本人にも分からないまま敵の手に落ちていた彰子。本当ならば自分の足で地面を踏むことはない深窓のお姫様なのに、雨と泥にまみれ髪まで切られてしまうとかひどい。これで戒めがとかいって躊躇するようだったら昌浩を見限っていた。2025/08/05