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出版社内容情報
私はケータイを持ってない。なぜなら、私には友達がいないから。だから毎日空想をして、憧れ続けていたある日。頭の中に鳴り響いた美しいメロディ。それは、同じさみしさを抱えた少年からのSOSだった……。
内容説明
私にはケイタイがない。友達が、いないから。でも本当は憧れてる。いつも友達とつながっている、幸福なクラスメイトたちに。「私はひとりぼっちなんだ」と確信する冬の日、とりとめなく空想をめぐらせていた、その時。美しい音が私の心に流れだした。それは世界のどこかで、私と同じさみしさを抱える少年からのSOSだった…。(「Calling You」)誰にもある一瞬の切実な想いを鮮やかに切りとる“切なさの達人”乙一。表題作のほか、2編を収録した珠玉の短編集。
著者等紹介
乙一[オツイチ]
1978年、福岡生まれ。17歳のとき『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
166
胸がキュンとなる切ない味わいがお得意な乙一さんの初期秀作ラブ・ファンタジー中短編集です。『Calling You』ヒロインは頭の中で繋がる不思議な携帯電話で愛する彼と知り合う。二人には1時間のタイムラグがあり遂に初デートの日が来るが、何とも信じられない悲劇が襲う!ああ!タイム・パラドックスが起きてもいいから二人の恋を成就させてあげたかった!3人目の女性の正体が秀逸!『傷』苦しむ人の傷を我が身の体で引き受ける優しい心を持つ少年の物語。『華歌』幸薄き運命の少女は望み通り死後に花として生まれ変わったのだろうか?2020/01/26
おしゃべりメガネ
144
やっぱり乙一さんは何を書いても素晴らしく乙一さんなんだなと改めて感心そしてジンワリと感動させてくれる素敵な短編集でした。200ページ程で3話からなる作品なので、ホントにアッという間に読了してしまいます。乙一さんらしく不思議なSF世界?を展開させたタイトル作には興奮すらしてしまい、「傷」もまた作者さんらしい少年時代の友情や独特のダークな感じをちょっぴり愛嬌程度に織り混ぜてくれています。「華歌」はとにかく最初から最後まで、次々と話が展開しファンタジーながら上級のトリックでヤラれてしまいました。ビバ、乙一さん!2014/03/02
忠犬じろレポ
130
華歌以外は再読です。乙一の世界観大好きです。華歌にあんな仕掛けがあるとは。(^-^) 偶然見つけた本でしたが、華歌だけでも十分楽しめました。CALLING YOUは大好きな短編。切ない内容ですが、暖かく感じるのかなぜかな。いい作品です。2013/08/18
エンブレムT
109
ホラー苦手なので「乙一作品は・・・」と避けつつも、実はアンソロジーや絵本で偶然出会った白系の作品は嫌いじゃなかったりします。この本は、雰囲気のある表紙(怖くなさそうだし・笑)に惹かれ読んでみました。収録されてるのは『CALLING YOU』『傷-KIZ/KIDS』『華歌』3作品ともに痛みを伴う切ない物語でした。設定自体は「なんだそりゃ?」なトンデモ物なのですが、登場人物の傷付いた心をやわらかく包み込むような描き方をしてるので、透明感のあるファンタジーに仕上がっています。切なく余韻のある読後感が好きです。2011/05/04
hnzwd
108
乙一さんの短編集。さみしさの周波数に比べると、ミステリ風味のしっかり聞いた短編が三作。いずれもほのかな感動を感じさせるもので満足。2014/04/23