- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > ティーンズ・ファンタジー
- > 角川スニーカー文庫
内容説明
大災厄で文明が滅んだ遠未来。異種知性体・吸血鬼と人類の闘争が続く暗黒の時代―帝国での任務を終えたエステルは、イシュトヴァーンへ向かえという新たな指令を受ける。一年ぶりに故郷へ帰ってきた彼女は、驚くべきことに吸血鬼から街を解放した英雄として“聖女”に祭りあげられていた。一夜にしてスターになったことにとまどうエステルであったが、そんな彼女に帝国からの刺客が襲いかかる!―汝、目をそらすことなかれ。
著者等紹介
吉田直[ヨシダスナオ]
1969年生まれ。某大学院修士課程修了。1997年、第2回スニーカー大賞受賞作『ジェノサイド・エンジェル 叛逆の神々』(角川スニーカー文庫刊)でデビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
88
表紙の飾る“壊滅騎士”ブラザー・ペテロ。まさに“漢”を感じさせるキャラ! 暑苦しいほどに。真夏には近づいて欲しくないですが、いわゆる質実剛健、精錬実直、不撓不屈などなど、お堅い四字熟語がとてもお似合いです。今回アベルくんの活躍が少ないのが少し残念。でもツッコミを入れると、異能の力を秘めた彼といえどもリボルバー(シングル・アクションでは1発撃つ毎にトリガーを引く必要があるので、ダブルアクションで連発したと思うけども)では、あんな風な連射は無理でしょ。あと主人公のエステルはとうとう聖女になってしまいました。2016/04/22
harass
40
帝国から帰還するが、エステルとアベルは、エステルの故郷イシュトヴァーンに向かう。エステルは「聖人」として祭り上げられるのだが、彼女を狙う謎の刺客とヴァチカンの内部抗争だか、このシリーズ裏切り者多すぎではないか。表紙のペテロの暑苦しさなど、類型的なキャラ造形もあり、エンタメとしてサクサク読める。よい終わらせかた。2025/09/26
藤月はな(灯れ松明の火)
21
過去は変えられない。だが過去に「正義」として行ったことは避けられる筈だったのではないかと考えるのはその時の思いや願いを風化させないことに繋がるのだろう。例え、自分が信じられなくなろうとも最後に残る「祈り」や「思い」が導き手となる。大切な人との約束を果たし、理不尽な世界に抗うためにエステルは「聖女」となることを誓う。一方、カテリーナは姉らしさを見せつつもアベルやアレックサンドロの「特別」は自分ではなくなっていることに愕然とする場面が彼女の孤独と疾しさに苛まれる描写を際立たせていてアベルとは別の意味で痛々しい2013/04/07
ノリピー大尉
11
帝国から戻ったエステルは、バンパイアからイシュトバーンを救った聖女としてまつりあげられた。聖女エステルの帰還に沸くイシュトバーンを再びバンパイアが襲撃する。だがそれば、教皇庁内部に巣食う権力闘争の一部でしかなかった。「どうか皆さん、もっと自分を疑ってください。正義を疑ってください。私たちはあまりにも愚かです。」(89ページ) 予期せぬ展開の末に悲しみの結末が。。。2016/07/18
ゆき
9
夜の帝国から戻ったエステルは、始まりの地であるイシュトヴァーンに呼び戻される。聖女として。式典の最中彼女はメトセラに拉致されるが、襲撃犯であるシェラには事情があり…というわけで、前回に引き続きなんてアウターの人間って汚いの!!ってなってしまうのですよね。シェラ好きだなぁ。2016/08/14