内容説明
自他共に認める“買い物依存症”の中村うさぎが、自身のビョーキからの脱却を求めて、精神科医や研究者、はたまた様々なビョーキから生還した先輩たちと突撃対談!ある時は仰天逸話に爆笑し、またある時は的確な分析に深く納得。図らずも、この連続対談中に依存対象が“ホストクラブ”に移行。依存症患者に特有の“渡り歩き症状”も披露する中村うさぎに、果たして依存症の脱出口は見つかるのか?うさぎの明日はどっちだ。
目次
和田秀樹(精神科医)
原田宗典(作家)
本橋信宏(文筆家)
島村洋子(作家)
横森理香(作家)
団鬼六(作家)
尾崎弥生(ノンフィクションライター)
宮台真司(社会学者)
月乃光司(作家)
松本侑子(作家)
沢村拓也(ホスト)
苫米地英人(科学者)
著者等紹介
中村うさぎ[ナカムラウサギ]
1958年、福岡県生まれ。同志社大学卒業後、OL、コピーライターを経て、『ゴクドーくん漫遊記』(角川スニーカー文庫)で小説家デビュー。ファンタジー小説の分野で活躍する一方、自身の壮絶な浪費生活を綴る連載エッセイ「ショッピングの女王」で注目を集める
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感想・レビュー
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吉田あや
76
買い物依存症のうさぎさんが精神科医や別の依存症を抱え、そこから脱却した先輩たちに話を聞き、この地獄から抜け出せる道を模索のはずが、連載途中から依存の対象が買い物からホストへと移行するという新展開へと。躁鬱病、薬物依存、恋愛依存、エステ依存、性的倒錯、摂食障害、アルコール依存症、女装者愛好家など、対談形式で掘り下げていくほど浮彫になっていく自意識という厄介な人の業。物質やその場の快楽で埋められるほど人の闇は簡単でも浅くもなく途方もない。弱くて強いうさぎさんがとても好き。2016/07/20
マッピー
16
買い物依存症の中村うさぎが、依存症を脱出する糸口を見つけるために、13人の人たちと本音で対談。専門家の立場から話す人、依存症を回復した人の経験談等、どれも濃密。アルコール依存症も薬物依存も過食症も命がけの依存。精神科医の和田先生は「人間は依存しなけりゃ生きて行けない。だから、依存するコト自体は別にいいんですよ」という。いびつな依存をまともな依存にしていこうと。判断ポイントは2つ・自分の意志で辞められること・支払う代償が大きくないこと。少し心が楽になりましたか?2022/01/25
daiyuuki
4
精神科医や依存症を脱却した先輩に話を聞き依存症を脱却する道を模索した対談集。対談相手は、精神科医の和田秀樹、躁鬱病経験者の作家原田宗典、恋愛依存症の作家島村洋子、団鬼六、宮台真司、元アルコール依存症のこわれ者の祭典リーダー月乃光司、脳科学者の苫米地英人など。中村うさぎは対談の中で、依存症の原因が今の自分とは違う別の自分になりたい際限のない願望と満たされない自己愛から来ていること、自己不全感の原因が大家族から核家族化した家族関係にあることや高過ぎるプライドと低過ぎる自己信頼が原因であること、を解き明かしてい2013/11/30
ルミー
2
自意識と肯定感と自己vs他者の関係への考え方が参考になる。2014/03/14
ラムネ
2
自分のためのメモ書き。「我々はいつも、ヒリヒリする心で、自分の存在証明を求めている。私は本当に生きているのか。私には生きる価値があるのか。どんなことをしても私は、自分が誰にも必要とされないという孤独感から抜けられない。誰かに愛してもらえれば、この孤独から救われるのか。いや、違う。誰の愛も、私は必要としていないのだ。親も彼氏も友人も私を愛してくれている。誰にも愛されないなんて嘘だ。この世でたったひとり、私だけが、私を愛していないのだ。」「恋愛による自己確認の試みは、必ず自己不全の確認に終わってしまう。」2013/03/05