出版社内容情報
絵巻物や屏風、扇面、掛幅などの絵画、光悦・乾山や魯山人などのやきもの、能装束や辻ケ花などの着物、円空や白鳳時代の仏像、硯箱から印籠までの漆工芸など、白洲流の美の発見と古美術に寄せる思いを語る。
内容説明
白洲正子が見た美術品は膨大な数にのぼる。雪月花の美を映す器や工芸品、湖北に残る円空仏や十一面観音、正倉院御物、伎楽や能の古面、絵巻・屏風・古筆の類から建造物に至るまで、ときには幾度も足を運び、じかに接してその美を享受している。古典や能の素養に裏打ちされた独自の感性がとらえた、思いがけない美の発見や歴史への考察―。自らの目の高さでものを見、こころに響いたことのみを語る、美をめぐるエッセイ集。
目次
飛鳥散歩
美術に見るさくら
雪月花
つらつら椿
椿の意匠
樟
木と石と水の国
聖林寺から観音寺へ
湖北の旅
日本の橋〔ほか〕
著者等紹介
白洲正子[シラスマサコ]
1910~1998。随筆家。祖父は海軍大将樺山資紀、父は貴族院議員樺山愛輔、夫は白洲次郎。日本の古典・能楽・骨董・古美術に通じる。著書に「かくれ里」(読売文学賞受賞)など多数
青柳恵介[アオヤギケイスケ]
1950年、東京生まれ。成城大学大学院博士課程(国文学)修了。古美術評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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U
26
白洲正子の〈美術〉にまつわるエッセイをまとめたもの。よむと贅沢な時間を過ごすことができる気がします。『雪月花』は、所蔵の美術品に関するお話で、初出時は写真入りで紹介された内容のようでしたが、今回写真はなく笑。文章だけでもわかるけれど、どうせなら写真と一緒に載せて欲しかった。正子がうまれてはじめて買った焼きもの・紅志野の香炉とか。見たいし笑!椿は好きな花なので、乾山と九谷にみられる意匠にも注目したいと思った。「焼きものはほんとうに、自然と人工、或いは神様と人間の合作に他ならないと思う」2015/07/12
メーテル/草津仁秋斗
1
白洲正子について無知なままで読んでも、十二分に伝わってくるこの人の鑑賞眼の高さ。真の日本の美を愛する気持ちが伝わってくる。MOA美術館、行ってみたいなあ。2016/07/19
Yoshi
0
椿や仏像や能面、石塔などに関して。 各々の茶人や歴史的人物など踏まえてどこが、なにが美しいかを淡々と語っておりその慧眼に舌を巻く。 印象派のジャポニズムの話はたしかに源氏物語絵巻を突きつければ黙らせれるだろうな、と思いながら読んだ。 日本人的な美観の輪郭が個々のエッセイ、その集まりから伝わってきて興味深い。2025/01/28
穂積臣
0
アンドロギュノスから始まっていたような気がする。稚児関係の時に読んだ思い出。時間があれば再読したい