内容説明
本国とつながっておらず、他国に囲まれた孤高の領土“飛び地”。人も住めないミクロな場所から、観光名所として潤う場所、かろうじて道路だけでつながった場所など、世界には個性あふれる飛び地が多数存在する。暮らす人には不便、統治者にとっても勝手が悪いはず…にもかかわらず、なぜ存在するのか?誕生のいきさつや歴史、人々の生活まで多角的に紹介。図版も100点超!驚きの世界史が見えてくる、唯一無二の飛び地読本。
目次
第1章 現存する飛び地
第2章 過去に存在した飛び地
第3章 飛び地のような植民地
第4章 対岸の飛び地
第5章 インフラ飛び地
第6章 飛び地もどきの怪しい地帯
第7章 飛び地についての解説
著者等紹介
吉田一郎[ヨシダイチロウ]
1963年、東京都赤羽生まれ、埼玉県大宮育ち。法政大学社会学部卒業、早稲田大学大学院修士課程修了(国際関係学専攻)。香港中文大学に留学。週刊「香港ポスト」記者、月刊「香港通信」編集長、日刊「香港ビジネスポスト」編集長を歴任。日本に帰国後、2007年に大宮の自治と独立を掲げて、さいたま市議会議員に無所属で当選し、3期を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
31
特別な存在と見られがちな「飛び地」。しかし世界史・政治史の中で考えれば、決して無視できない重要なファクターとなることが、思った以上に多いのだ、ということを教えてくれる本。こんな細かい事柄をどうやって著者は調べることができたのか、それも不思議に思えることのひとつ。いずれにしても他に類書のない、貴重な情報満載でした。2016/05/25
田氏
18
この国にはかつてYahoo!ジオシティーズというものがあった。その崩壊とともに、どれだけの優良テキストサイトが失われただろうか。本書はそのひとつ『世界飛び地領土研究会』なる濃ゆいサイトを書籍化したもの、の文庫化したもの。なお著者は、九龍城砦に住んだ経験のある現さいたま市議という激レアさん。そりゃ濃ゆいわ。件のWebサイトは、WebArchiveなりWeb魚拓なりに保存されているので、お暇で雑学趣味な御仁はぜひ覗いてみていただきたい。さすれば、本書の税別1000円というプライスも大変お買い得に見えてこよう。2019/07/04
ふぁきべ
7
同じ著者で、前に読んだ国マニアのほうが面白かったが、この本の問題というより好みの問題かもしれない。ただ、ギリシャが第一次大戦後に小アジア(アナトリア半島)に結構大きな領土を持っていたことは知らなかったし、なるほどと思わさせられることや意外な事実が出てきて面白かった。ちなみに余談だが、この著者のHPもとても旧式だが、面白い飛び地や消滅した国についての情報がたくさんあって面白い。2017/07/19
まさむね
6
日本でも県境に飛び地があるケースが話題になったりするが、世界を見渡せば恐らくは無数の領土の飛び地が過去・現在に存在する。その歴史的背景などをざっくりまとめた本。こういうネタ大好きなので、非常に興味深く読んだ。かつて存在した飛び地では、特にインドの飛び地の多さに驚く。ホテルの一室が別の国だった、みたいなユニークなケースも紹介されている。2016/01/26
Francis
6
世界のあちこちにある「飛び地」について、現状、成立の原因、歴史についてよくぞここまで調べたなあ、と感心するくらい詳しく書かれている。これを読んだら、国境線や領土、国家に対する今までの観念が揺らいでしまうだろう。面白くてためになる本。2014/10/14