角川文庫 角川ソフィア文庫<br> パリ、娼婦の館―メゾン・クローズ

電子版価格
¥803
  • 電子版あり
  • ポイントキャンペーン

角川文庫 角川ソフィア文庫
パリ、娼婦の館―メゾン・クローズ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784044094508
  • NDC分類 368.4
  • Cコード C0195

出版社内容情報

文学作品にも登場する高級娼婦たち。娼館の内部や娼婦の生活を描く!

19世紀のパリ。赤いネオンで男たちを誘う娼婦の館があった。男たちがあらゆる欲望を満たし、ときに重要な社交場になった「閉じられた家」。パリの夜の闇にとける娼館と娼婦たちの世界に迫る画期的文化論。

内容説明

19世紀、パリ。夜の闇に光る赤いネオンサインで、男たちを誘う娼婦の館があった。メゾン・クローズ(閉じられた家)とは、どのような場所だったのか。そこに集う娼婦や紳士たちは、いかなる饗宴を繰り広げていたのか。数々の文学作品や歌劇の中で妖しく魅力的に描かれてきた娼婦たちの真実と、これまで明らかにされることのなかったメゾン・クローズの深部に迫る。貴重な写真や資料をもとに社会を読み解く、画期的な文化論!

目次

大きな赤い番地の光
博士の異常な執念
隔離された女たち
メゾン・クローズの女将の条件
良い娼婦とは何か?
娼婦を調達する方法
娼婦のトレード
裏方に回る娼婦たち
スカウト最高の「漁場」
快楽を味わうためのインテリア〔ほか〕

著者等紹介

鹿島茂[カシマシゲル]
1949年、横浜市生まれ。1973年東京大学仏文科卒業。1978年同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在明治大学国際日本学部教授。フランス文学者。エッセイスト。著書は『馬車が買いたい!』(サントリー学芸賞)、『子供より古書が大事と思いたい』(講談社エッセイ賞)、『職業別パリ風俗』(読売文学賞)の他、100冊を超える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyako Hongo

14
古本屋で見つけて即買い。□1930~のフランスの娼館の資料本。娼館が公に認められていた背景と制度、運用などなど。高級娼館内部の写真やプレイの写真が載っていて妄想を掻き立てる。ヨーロッパの変態にムチフェチが多い訳や、スカトロジストの細分類、疑似恋愛と抜き産業が分化しているのは日本だけという考察や、ノーパンしゃぶしゃぶやイメクラや覗き部屋がこの時代にすでに存在したことなどなど...面白いネタテンコ盛り。□”衣食住足りて変態を知る”とか”金銭と肉体との等価交換”とかの名言多し。面白くて一気読みでした。2014/10/25

長野秀一郎

11
19世紀パリの娼館についての入門書。元々は別の2冊の本であったものを再構成したせいか全体としての構成に乱雑さが見られる。個人的には冒頭で「待合(戦前の料亭・茶屋)について書きたい」と語っていたが、個人的にはそちらも読みたい。ともあれ日本で言えば江戸~明治期に日本のそれと同様の業態が仏にあったことは興味深い。またこんにちでいうところのクラブ・キャラバクラ?的な役割を果たしていたとかも面白い。評価4-。2017/02/26

takam

9
性風俗関係のビジネスは長い歴史を持つものの、時代や地域を超えた普遍性を感じる。SMクラブに通う地位の高い紳士や妄想を原体験できるようなイメージクラブのような遊び方が19世紀からあったことに驚く。そして、娼婦の心理をうまく使った循環ビジネスの構築までされていて、今の週刊誌が描く風俗店と似たような実態が描かれている。性について人間は大きく進歩していないという点で、娼婦相手にしか本能を出すことはできないのかもしれない。一方でその本能を相手する娼婦も感情ある生き物のため、心が擦り切れている感じに救いがなかった。2019/10/23

トマシーナ

7
久々に鹿島先生の著作を読んだ。その内容の濃さに比べて、素人にも分り易い語り口の面白さにあっという間に読み終わってしまった。娼婦、娼館は必要悪と言われながらもそこに華やかな「文化」があるのはとてもフランス的だと思う。娼婦たちの日常の悲惨さと外観の華やかさという相反する部分は日本の廓や花魁の存在に匹敵する。歴史の表舞台ではなかなかお目にかかれない、とても興味深い読み物だった。2017/02/28

hiroshi

6
鹿島茂である。フランス文学者・評論家であり近頃はエロの事ばかり書いている。もちろん決してふざけているのではない。ゾラもモーパッサンも、そしてユゴーのファンティーヌも「売春」「娼館」なくして語れないのだ。変態も貧困も性病も含めて社交場でありサロン。むしろ「社交(キャバクラ等)」と「“射精”風俗」が別業態として成り立つのは日本くらいだとし「日本独特のものであり、国際的な比較社会学研究にも値する」なんて唸ってしまい笑ってしまった。2020/09/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7481580
  • ご注意事項

最近チェックした商品