内容説明
ルーマニアは「ローマ人の土地」、ロシアはヴァイキングの「ルス人の土地」、大航海時代の日本は黄金の島「ワクワク」と呼ばれていた?ハンブルクなどブルクやバーグのつく地名は、中世ヨーロッパの城壁に囲まれた都市を表すなど、世界の国々や都市の名には、帝国の拡大、宗教戦争、民族大移動、「新大陸」発見、産業革命など、世界を巻き込んだ大変革の足跡が刻まれている。由来と歴史地図の読み解きで楽しむ、発見の世界史。
目次
1 ヨーロッパの地名の源はギリシア、ローマ
2 民族移動と経済が生んだ中世ヨーロッパの地名
3 イスラームの興亡と西アジア
4 モンゴル帝国が変えた中央アジアの地名
5 ロシア帝国の誕生とスラブの国々
6 中華思想が反映、東アジアの地名
7 インド文明と東南アジアの地名
8 「大航海時代」と産業革命が生んだ地名
9 アメリカという「新世界」
10 国名で読むアフリカとオセアニア
著者等紹介
宮崎正勝[ミヤザキマサカツ]
1942年生まれ。元北海道教育大学教育学部教授。東京教育大学文学部史学科卒。専攻は、前近代の国際交流史、世界史教育(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tomi
20
ローマ帝国の繁栄に民族の大移動… ヨーロッパの地名だけ取ってみても、歴史が複雑に絡み合って形作られている事がよくわかる。世界各地の地名の由来が解説されているので雑学本としても楽しめます。2012/11/10
ruruti
3
浅く広く面白かった。改めて西欧が長きにわたって世界を牛耳っていたのだと分かった。2014/11/06
左近
2
歴史が好き。言語学も好き。地図を眺めるのも好き。というわけで、本書を楽しく読了。気楽な読み物を連想しそうなタイトルと表紙デザインの割に、中身は充実。黄金の国ジパング伝説は平泉の金色堂が基になったと思っていたが、奥州藤原氏以前から東北は砂金の産地であり、そのずっと前から黄金郷伝説の一つとして語られていたのも、よく考えてみれば納得。地名は歴史の語り部。市町村合併や地域おこしという名目のもとに、安易にいじって良いものではない。ましてや「漢字が難しい」「素敵な印象にしたい」なんて理由で変更するのは言語道断。2023/04/01
松露
1
世界の地名の由来からざっと歴史をたどる、という書き方が面白かった。雑学本としても、充分楽しめた一冊。2011/02/12
恵
1
ほぼ時代順に並んでるので、国家の栄枯盛衰もよく分かる。歴史雑学系の本の中では、出色の出来ではないだろうか。2011/01/27