内容説明
世界20カ国以上で上演されている奇跡のミュージカル「キャッツ」。27匹の個性豊かな猫が登場するこの作品は、イギリスのノーベル文学賞詩人T.S.エリオットの詩集が原作。エリオットが詩の中にちりばめた言葉遊びや造語を丁寧に読み解き、「メモリー」に込めた知られざる思いや、幸せ探しの旅をたどる。ミュージカルと原作、2つの「キャッツ」を対比しながら、その魅力を味わい楽しむ!猫たちのプロフィールとイラストつき。
目次
『キャッツ』の謎と魅力に迫る―はじめに
奇跡のミュージカル『キャッツ』の不思議
ミュージカル『キャッツ』の誕生
エリオットの『キャッツ』はノンセンスの宝庫
エリオットからミュージカルへ
ジェリクル舞踏会へのご招待
名は体を表す
ジェリクルたちの人生いろいろ
幸せ探しの旅へのいざない
猫族は神聖なり〔ほか〕
著者等紹介
池田雅之[イケダマサユキ]
1946年、三重県尾鷲市生まれ、東京育ち。早稲田大学社会科学総合学術院教授。同国際言語文化研究所所長。比較文学・動物文学専攻。NPO法人「鎌倉てらこや」理事長。その社会貢献活動に対して、博報賞ならびに文部科学大臣奨励賞を授与される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ochatomo
9
映画化予定と知って読む 劇団四季キャッツ25周年を記念した書下ろし文庫 著者による英語の原詩及び脚本の翻訳に浅利慶太氏の訳詞も加えて順を追い解説 ミュージカルのテーマを「祈りによる救済と再生への旅」とする 追加された詞もエリオット氏作であることや、アメリカ生まれでイギリス女性と結婚しその結婚生活が非凡だったことを知る 2009刊2018/03/01
coldsurgeon
8
30年ぶりにミュージカルを観る前に、以前の舞台の様子を思い浮かべ読む。「キャッツ」の数々の楽曲がすぐ思い浮かぶが、全体のストリーはよくわからずにいたし、また主題がなにであるか理解できずにいた。本書を読んで、キャッツを21世紀の神話ととらえれば、受け止め方は、人それぞれであろうが、過去から未来への再生の物語かもしれない。登場人物は、一人ひとりが主人公であり、それぞれに輝いていると理解できる。エリオットの詩から生まれる物語が、壮大なミュージカルへ昇華したものだといえるだろう。初キャッツの孫娘の喜ぶ顔が浮かぶ。2022/10/19
ひさだ
6
ミュージカル観てきました。激流のように流れ込む歌と踊りであっという間に胸が一杯になり、自然と感情が溢れ出てくる作品でした。しかしストーリーはよくわからず。作品的にそれでも良さそうですが、意味深な猫の名前の意味を知りたくて読みました。やはりそれぞれに意味が込められていたんですね。ミュージカルと原作を行き来しながらキャッツの世界がだいぶ深まりました。それにしても、ネーミングセンスとか猫を見る角度とか、原作者がほんとに頭おかしいです(褒めてる)。あと、妖精界と猫、ミュージカル版ポスターの関係性にときめきました。2019/02/14
ジュリアンヌ
5
劇団四季『キャッツ』を観劇したので。 舞台では分からなかったストーリー、T.S.エリオットが伝えたかったこと、そらぞれの猫たちーについて、とてもよくわかりました。 グリザベラの罪に納得できなかったけど、本書のおかげで理解できた。 また、舞台に行きたい!2021/03/17
あくび虫
3
著者はいろんなものを宗教的と指摘していますけれど、どう考えてもこの本こそが妙に「宗教的」で嫌悪感を感じないでもない。解釈の一助としては面白い。2019/09/23
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- 和書
- 石を巡り、石を考える