内容説明
一枚の白い手漉和紙に、様々な模様と色彩が綾なす千代紙。その美しさを愛でる楽しみはもとより、折り紙や、鋏を入れて思い思いの形を作り出す細工の妙は、一枚の紙を華麗に変身させる。浮世絵等とは一線を画しつつ、独自の発展を遂げてきた千代紙の歴史をひもとき、木版刷りの逸品を中心に、「麻の葉」「七宝」「鹿の子」「青海」「鳳凰」「宝輪」ほか名称も美しい伝統柄を約二百種オールカラーで掲載。江戸の人々の粋な感性と遊び心に満ちた文様を堪能する。
目次
第1章(江戸千代紙とは;千代紙の魅力;縮緬千代紙;木版千代紙)
第2章(千代紙の文様;江戸の粋、小紋;江戸の定番柄;幾何学文様;動物文様;植物文様;天象地文様;器物文様;役者紋・家紋)
著者等紹介
小林一夫[コバヤシカズオ]
1941年、東京生まれ。東京、お茶の水のおりがみ会館館長、全日本紙人形協会会長。染色技術や折り紙など和紙に関わる伝統技術・文化の普及に尽力。1977年ごろから折り紙を通じての国際交流や和紙の講演活動を活発に行う。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
46
子供の頃、幾何学模様が一面に並んでいた千代紙を見たことがある。それ以来、千代紙とはあのような幾何学模様の色紙を指すものと思っていたが、この本を見てその盲を開かれた。紙一面に花鳥風月、動物や紋が散らされどれもこれも魅入らずにはいられない。幾何学模様もあるけれども、それも自然を意匠したものとなっている。千代紙って日本風の自然を映し出したものなんだなと教えられた。鳥とか植物をそのまま描き出したものもいいけれども、個人的に気に入ったのは細かい模様が規則的にずっと並んでいるもの。持っていたら飽かずに眺められそう。2015/03/07
佳音
41
千代紙でも江戸千代紙。眺めているだけで飽きない。文庫本なので、気軽に持ち歩けるところも○♪ 待ち合わせ等、隙間時間にもどうぞ(^_^)2015/03/07
Mizhology
8
幾何学模様、日本画好きにはたまらない一冊。一応読了としたのは文字の部分を読み終えたから。長年の謎、松竹梅の由来も少し載っていたのが嬉しかった。拝借本なので、自分用を買わなくては(〃▽〃)2015/07/20
にゃんまげこ
6
きれいな柄がたくさんありました。額縁に入れて部屋に飾ったら、かなり可愛いかも…。2015/04/04
ふみ
5
千代紙ってこんなに歴史のあるものなんだ!ってびっくり。折り紙の綺麗な模様なだけだと思ってた。色んな意味が込められてたなんて。ただ眺めてるだけでも綺麗で可愛くてウキウキする。2015/04/01