内容説明
江戸の昔より、煙草入れや巾着を帯から提げる留め具として愛用されてきた根付。仏像彫刻等と違い、庶民の間から生まれた実用的工芸品だからこそ、自由奔放でユーモラスな魅力をもつ。愛嬌たっぷりの表情で持ち主を見上げる虎、自らの分身を「ふうっ」と吹き飛ばす仙人、本物そっくりの栗の実に隠された、あっと驚くたくみの手わざ―わずか数センチメートルの世界に多彩な意匠を凝らす、日本人の遊び心と繊細な技術を味わえる、唯一無二の入門書。
目次
第1章 道しるべ
第2章 あしらい
第3章 楽しむ
第4章 観る
第5章 意匠
第6章 作る
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鷺@みんさー
41
ゲイジュツである。たかだか4、5センチの木だの角だの貝だのに、よくもまぁここまで細かく造形を彫ったものだ。本書には根付けの楽しみ方、買い方、作り方、手入れの仕方などが載っており、根付けは立体造形であるからして、ひっくり返して見てみると、カルタ取りをしていたりと本当に芸が細かくてひたすら感心するのである。粋だ。うっかり集めてしまいたくなっちゃう。だって今の時代のガチャとかと同じじゃないか。やっぱ清水三年坂美術館行かないとなー。ちまちました美を見るのが好きだ。2018/12/01
糸車
30
煙草入れや巾着を帯から提げる留め具として愛用されてきた根付。実用品なので引っかかったり鋭い突起があってはいけない。ほどよい丸みが可愛い。小さいのに写真を何倍にも拡大しても鑑賞に耐え得る細工の繊細さ。なんて凄いんだろう。意匠は多彩でイソップ物語のライオンとねずみなんてものもある! ねんねこ半纏を着て子守をする雀とか。可愛すぎる(悶絶)。文庫サイズなのでトイレにでも置こうかと思案している。いや、真面目な話ですよ。2017/08/26
Richard Thornburg
14
感想:★★★★★ まさにタイトル通り『根付』の本です。 愛用している懐中時計のチェーンを時計紐にしてから根付に興味が湧き、その時の気分でチョイスしてみたりするのですが、自分でも簡単なものを作ってみたくなって参考書代わりに買いました。 内容的には匠が生み出してきた溜息モノの作品の写真と解説、当時の文化を窺い知れる説明、果ては根付を収める箱に至る話まで、興味深く楽しめる内容でした。 ラストには製作に関する話も詳しく載っていて、自分で根付を彫ってみようと思われる方には参考になると思います。2016/06/19
みーすけ
11
細かい細工がよくわかる沢山の写真と解説に、よく知らない世界でしたが楽しく眺めることができました。このシリーズ本はこの後の刊行も要チェックです。2015/03/22
halfumi
11
たくさんの根付けの写真と、著者の優しげな文章に酔いしれた読書時間でした。根付けの魅力に開眼しそう。2015/03/19
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