出版社内容情報
<わたし>は「他者の他者」としてある。他者の思いの宛先としてここにいる。
生きること、老いることの意味。現代はそういう問いを抱え込んでいる。<わたし>が他者の宛先でなくなったとき、ひとは<わたし>を喪う。存在しなくなる。そんな現代の<いのち>のあり方を滋味深く綴る哲学エッセイ。
内容説明
たとえば、生涯だれにも一度も呼びかけられなかったひとなどはいない。“わたし”は「他者の他者」として、他者の思いの宛先としてここにいる。“わたし”が他者の意識の宛先でなくなったとき、ひとは“わたし”を喪う。存在しなくなる。ひとの生も死も、まぎれもなく他者との関係の社会的な出来事としてある、そんな現代の“いのち”のあり方を、家族のかたちや老い、教育など、身近な視角からやさしく解き明かす哲学エッセイ。
目次
生まれること、死なれること
1 寂しい時代(「わたし」という浮草;私的なもののゆくえ―家族という場所;うつろいゆく成熟のイメージ―教育という装置;見えない死―医療という仕組み;まとまらないこと―介護という関係)
2 死なないでいる理由(“いのち”への問い;消えた幸福論;ほどける時間―小さな幸福)
著者等紹介
鷲田清一[ワシダキヨカズ]
1949年、京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。関西大学文学部教授、大阪大学大学院文学研究科教授、同研究科長・文学部長、同大学理事・副学長をへて、現在、大阪大学総長。専攻は臨床哲学。著書に、『「聴く」ことの力』(桑原武夫学芸賞)、『モードの迷宮』(サントリー学芸賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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