内容説明
『菜根譚』は、『論語』とならび各界のリーダーたちが座右の銘としてきた処世訓の最高傑作。「一歩を譲る」「人にやさしく己に厳しく」など、人づきあいの極意、治世に応じた生き方、人間の器の磨き方を明快に説く。人生において思いがけない逆境に立ち向かうとき、自分の支えとなる言葉として、現代人の心に響く名言を精選。簡潔な現代語訳、総ルビの訓読文と理解の助けとなるわかりやすい解説を加えた、初心者に最適な入門書。
目次
前集(遇と不遇;世間を渡る心得;君子の心と才知;潔白と高尚;人生を磨く砥石 ほか)
後集(得意になって語らない;囲碁にも戦争の心が;真実の世界;歳月を短いと感じてしまう人;夢から覚める ほか)
著者等紹介
湯浅邦弘[ユアサクニヒロ]
1957年島根県生まれ。大阪大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。大阪大学大学院教授。専攻は中国思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月讀命
57
人間としてどうあるべきかを導いてくださる本。『菜根譚』は、論語、道教、儒教、仏教を合わせたようなの理が散りばめられている。「一歩を譲る」「人にやさしく己に厳しく」など人づきあいの極意や、治世に応じた生き方、人間の器の磨き方を明快に説いている。人生において思いがけない逆境に立ち向かうとき、自分の支えとなる言葉として、現代人の心に響く名言を精選。簡潔な現代語訳、総ルビの訓読文と理解の助けとなるわかりやすい解説を加えた、初心者に最適な入門書である。古典はやはりビギナーズクラシックスをよんで基礎を固めるのもよい。2016/08/14
佐々陽太朗(K.Tsubota)
53
人が幸福に美しく暮らしていくための態度が存分に語られており、そのほぼすべてに同意できるものであった。『菜根譚』を貫いているのは「節度」「中庸」あるいは「五分」という考え方である。やわらかく「ほどほど」「頃合い」と表現すればわかりやすい。私も「節度」「中庸」を心がけてはいる。しかしこれがなかなか難しい。ついつい考えが先鋭化し、感情が激し、過ぎてしまう嫌いがある。そんな私がただひとつ、これは出来たのではないかと思うことがある。謝事当謝於正盛之時。 2023/04/26
seacalf
48
著名人がこぞって愛読書にあげている400年前の中国明時代にかかれた人生の知恵や処世術をまとめた菜根譚を、とっつきやすいビギナーズ・クラシックで。厳しい戒めではなく、穏やかな語調で記されているのですっと読みやすい。読み進める中で、過去の己の振舞いを反省したり、知らず知らず実践していた良いことは引き続き実践しようと思ったり、自らの内面を省みる良いきっかけになる。中庸の重要性を説くものが多く、何事もほどほどにする大切さを再確認した。2024/06/27
うえぽん
41
400〜500年前の中国で書かれ、万人向けの処世訓の最高傑作として読み継がれている古典。明快な対構造の文章で、どこから読んでも良い構成、内容も特に逆境にある人に共感が得られる点が優れているとされる。勝ち組・負け組のような二元論を避け、中庸を強調し、「苦心の中に趣き、得意の時に悲しみがある」とするなど表面と本質の逆転現象にもしばしば言及。長期の修養を強調しつつ、死に臨めば子女や財宝も無益と言うなど、固定観念からも距離を置くことを推奨し、驕らず、卑下もしない自然体の人生を歩む後押しになる珠玉の名言集と言える。2024/07/19
HIRO1970
37
⭐️⭐️⭐️図書館本。年頭に当たり古典の中で何か自分に合った指針の様な物に出逢えればと軽い気持ちで手に取りました。随分前から良いと言う評判は伝え聞いていましたが、これ程素晴らしい処世訓であるとは正直驚きでした。500年程前の作品ですが、本家中国版の徒然草と言った感じで折に触れて手に取りたい手許に欲しい一冊でした。特に冷遇されていたり、上手くいかない時には偉力を間違いなく発揮する強烈なツールとなり得ます。もちろん厚遇され調子づいている人にも戒めの数々がありますのでどなたにもオススメ出来ます。2015/01/17
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