内容説明
『史記』は全130巻におよぶ中国最初の正史。王や名将たちから大商人や殺し屋に至るまで、強烈な個性の人々を鮮やかに描き、ここから生まれた故事成語も多い。本書では、「鴻門の会」「四面楚歌」で有名な項羽と劉邦の戦い、伍子胥の復讐劇、春秋時代末期に起きた呉越の抗争など、教科書でもおなじみの名場面を精選して収録。『史記』の全容がわかる簡潔な解説も加え、中国の歴史を躍動的な原文と現代語訳で楽しむ決定版。
目次
第1部 春秋末期の動乱―「伍子胥列伝」より(伍子胥の父祖;費無忌の陰謀;父と兄の死 ほか)
第2部 戦国時代の人間関係―「魏公子列伝」より(門番の老人;無礼な侯〓(えい)
侯〓(えい)の弁明 ほか)
第3部 秦から漢へ―「項羽本紀」など(始皇帝の崩御―「秦始皇本紀」より;陳勝・呉広の蜂起―「陳渉世家」より;項羽、初めて起つ―「項羽本紀」より ほか)
著者等紹介
福島正[フクシママサシ]
1954年大阪市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程中退。大阪教育大学教授(教養学科)。中国思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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しゅてふぁん
43
史記の中から『伍子胥列伝』『魏公子列伝』、項羽と劉邦についての箇所を抜粋して紹介した一冊。訳文だけではなく、読み下し文と原文も掲載されている。中でも鴻門の会の読み下し文は臨場感たっぷりで、声に出して読みたくなった(平家物語みたい!)。史記と言えば始皇帝、項羽と劉邦、戦国四君が真っ先に思い浮かぶ私にとって、ほんの一部を紹介したこの作品の中で、簡単にではあるけど戦国四君全員について触れられていたのが嬉しかった。2020/10/18
加納恭史
21
太平記はどうも「史記」を参考にしているので、読み易いこの本を開いてみる。若い時に読んだが、今も影響しているのかな?平安時代の初期から平安貴族に浸透した。清少納言や紫式部も「史記」に親しでおり、言及している。以来、「史記」は貴族から武士へ、武士から町民へと浸透し続けて、現代に至っている。まあこの本は優しく書かれており、手引き書として最適でしょう。中国の春秋末期の動乱から「伍子しょ列伝」を最初に紹介している。スマホでは「しょ」の漢字が出ないので当分はひらがなにします。「史記」は前漢時代の司馬遷の作のようです。2022/08/22
フク
14
#読了 原文、書き下し文、訳文、寸評と安心の構成。 伍子胥列伝、魏公子(信陵君 魏無忌)列伝、項羽本紀を取りあげている。 白起と王翦が同じ列伝にまとめられてるのが意外だった。 日本人最初のメジャーリーガーとして〈わが南海ホークスの村上雅則投手〉と書かれているだけでこの著者は信頼できる。 kindle2023/04/03
テイネハイランド
13
図書館でふと手に取った一冊。「伍子胥列伝」「魏公子列伝」「項羽本記」の三編の紹介。主要登場人物(姻戚親子関係)には系図、種々の耳慣れない地名/国名には場所を示す丁寧な地図がついていて、難しいコトバの由来や故事の説明も要点をとらえておりわかりやすい。なにより、訓読文と書き下し文が抜粋とはいえ載っていて、現代日本語訳を参照しながらそれを読むのが心地よい。現代訳のみの岩波文庫版「史記列伝1-5」を積読中だが、書下ろし文がないため物足りない。「ビギナーズ・クラシックス」、気にいったので別の本も読んでみたくなった。2016/10/08
吟遊
8
項羽と劉邦、鴻門の会のことがおぼろげにわかる。2019/12/08
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