出版社内容情報
三浦 國雄[ミウラ クニオ]
著・文・その他
内容説明
易は、陽と陰の2種の記号6本を組み合わせて64通りの配列を作り占う。このテキストとして編まれたのが『易経』である。単なる占いの書ではなく、中国三千年の歴史のなかで、「未来を予測する思索的な道具」として活用され、儒教経典のなかの第1位を占めるものとなった。中国思想の根幹を表すこの書を、語釈と現代語訳、および先人の記録に載る占例をつけてコンパクトにまとめた。古代中国人の智恵を読み取りながら未来を見通す方法を学ぶ。
目次
乾
坤
屯
蒙
需
訟
師
比
小畜
履〔ほか〕
著者等紹介
三浦國雄[ミウラクニオ]
1941年、大阪市に生まれる。大阪市立大学文学部卒業。京都大学助手、東北大学助教授、大阪市立大学教授をへて、現在、大東文化大学文学部教授。専攻は中国思想史、東アジア比較文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夜間飛行
66
通勤電車の中で少しずつ読むのが愉しかった。コンピュータと同じ二進法をベースに偶然や直感を導き入れた思考法。特定の意味を持たず時と場に応じて立ち上がってくる卦爻辞。実占経験のない私も、語釈を参照しながらそれらの卦爻辞を読み、現れては消えていく思考に身を委ねるだけで「易」の魅力に触れることができた。物事を記号化・象徴化することで深層(曖昧な言い方ですみません)の動きが脳に直接伝わるのだろうか。占例を読んでいくと、中には筮竹を用いず、現実に適応する卦を随意に選び出した占断例もあり、かなり柔軟だったことがわかる。2018/06/06
ビイーン
30
岩波の易経は敷居が高すぎて挫折中だが、本書は分かり易くて初心者の私には丁度よい。易経とは「未来を予測する思索的な道具」という。その神秘的で深淵な世界観が古代中国人の発想の凄さを再確認させる。そして薄っぺらなデジタル社会から距離を置き、「易経」という古典と関わっていく事が、今以上に精神的な豊かさを実感できるのではないかとの思いが強くなってくる。まずは易経の理解が少し深まったところでフィリップ・K・ディックの「高い城の男」を再読しよう。2018/07/15
デビっちん
23
再読。だんだんと記号を見てすぐに卦の名称が浮かぶようになってきました。卦を覚えるだけなら、一覧だけ持ち歩いて見るのが一番お手軽なんですが、気が向いたらどんな内容なのか読んでみたくなっちゃうんですよね。そういう意味で何度もくり返し読むのには、本書の薄さが大変助かります。持ち運びに対するハードルがグッと下がりますから。2019/03/29
デビっちん
21
再読。昨年読んだ時に何かあると感じていた易の配列を教えてもらって、大興奮です。改めて訳を読んでみたら、意訳されているものが多いような感じを受けました。易は毎日読んで一生付き合っていきたいものです。2020/08/13
デビっちん
18
六十四卦について、今まで見たことない配列の見方が解説されていて易の奥深さを知ることができました。易はいろいろな見方や解釈の仕方がありますが、本書では占いのテキストという観点を中が心となり先人の実占としての占例が記載されている点が今まで読んだ類書とは一線を画するものでした。2019/03/23