出版社内容情報
湯浅 邦弘[ユアサ クニヒロ]
著・文・その他
谷口 広樹[タニグチ ヒロキ]
著・文・その他/イラスト
内容説明
春秋時代、呉の兵法家として活躍した孫武。その思想をまとめた兵書『孫子』は、勝利の方程式だけではなく、社会と人間に対する鋭い洞察を記す。戦争とは何か、国家とは、組織とは、リーダーとは―。今を生きる我々にも多くの“勝ち抜くための智恵”を与えてくれる名著。中国兵法の教えのもっとも重要な部分をわかりやすく三十六の計謀にまとめた『三十六計』も収録。中国伝統の英知を凝縮した二つの兵書を同時に味わう。
目次
孫子(計篇;作戦篇;謀攻篇;形篇;勢篇;虚実篇;軍争篇;九変篇;行軍篇;地形篇;九地篇;火攻篇;用間篇)
三十六計(勝戦の計;敵戦の計;攻戦の計;混戦の計;併戦の計;敗戦の計)
著者等紹介
湯浅邦弘[ユアサクニヒロ]
1957年島根県生まれ。大阪大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。大阪大学大学院教授。専攻は中国思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
73
戦術、またはビジネス書の手本として読まれることが多い「孫子」。お堅いイメージを勝手に持っていましたが、読んでみると面白い!情報の大切さ、飴と鞭の使い分け、部下の士気の保ち方と関連する環境の大切さなど、当たり前でいて蔑ろにされがちな事が諭されています。特に策謀や撹乱、騙し討ちも厭わない清濁の合わせ技は大人になったからこそ、分かる戦略です。同時に漢文を学んでいた高校時代に読まなかった事を悔やみました。また、臥薪嘗胆、風林火山、泣いて馬謖を斬るなどの有名な言葉や逸話も解説されているので好奇心が刺激されました。2021/12/15
月讀命
62
『孫子の兵法』と『兵法三十六計』を解り易く解説してくれる書。この本を読む迄、そもそも、『孫子の兵法』と『兵法三十六計』は同じものであると思っていた。『三十六計』は孫子をはじめ、古今の兵法書の要点をまとめ、計略を四字熟語や三字熟語で表したものである。兵法31計「美人計」:敵に美人を献上し、色仕掛けで敵を弱体化させる。兵法34計「苦肉計」:敵を信用させるため、わざと自分を傷つける。兵法36計「走為上」:勝算の無い時には逃げるが勝ち。現代の世の中、社会のサバイバルな人間関係においても、参考になるところもあろう。2013/12/25
しゅてふぁん
44
岩波文庫で孫子を読んだ後に、いつものシリーズも読む。一度目を通してる上に初心者向けの解説でとてもわかりやすかった。中国の古典って偉大だわ。2020/05/23
ころこ
34
抄訳。「100分De名著」の湯浅邦弘が構成と解説をしていて信頼できる。上部に書き下し文、その下に小さく原文があり、その後に解説が付してある。儒教や道教よりも思想が単純なので読み易い。韻で共通点を読解したり、逆説までの文脈を理解したり大変だったプロセスが無いので、何でも良いから中国古典を読みたい読者にはちょうど良いハードルの高さだ。ロジスティックスの重要性が強調され、長期戦が否定されている。2022/12/25
紫陽花と雨
25
岩波文庫だと挫折しそうだったので、読み下し・解説・戦略図付のありがたいビギナーズクラシックスで。ビジネス書にも通じるという数々の戦略、これが2500年も前に書かれたことに驚く。自軍が優勢な時、同等の時、不利な時、様々な展開や、故事も興味深く読みました。結構ずるい作戦もあり面白かったなあ。これは何度も読んでちゃんと理解したいやつだ。三國志で読んだ事例も登場(董卓と呂布に貂蝉を差し向けたのは「美人の計」よね)三十六計では易経も登場し、四書五経を追いかけたくなりました(もちろんビギナーズクラシックスで(笑)2022/01/27
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