出版社内容情報
地獄を抜けたダンテは現世の罪を浄める煉獄の山に出る。罪の印である七つのPを額に刻まれ、地上楽園である山頂を目指す??第2部。「父・逸雄が挑んだ全人類の永遠の文化財」(三浦朱門/本書エッセイ)
内容説明
復活祭の日曜日の夜明け。地獄を出たダンテとウェルギリウスは大海を渡り、地獄行きを逃れた亡者の浄罪の場である、煉獄の山にたどり着く。罪の印である七つのPを額に刻まれたダンテは、贖罪の途にいる数々の魂と出会い、自らも師に叱咤を受けながら、天上への入り口となる山頂を目指す。そしてすべてのPが消えたとき、地上楽園でついにベアトリーチェの姿を見るのだった。第二部「煉獄篇」。
著者等紹介
アリギエーリ,ダンテ[アリギエーリ,ダンテ] [Alighieri,Dante]
1265年フィレンツェに生まれる。9歳の時に出会ったベアトリーチェに恋し、その愛が彼の創作活動の源となった。公職についたのち政治活動に関わったが、当時フィレンツェで激化していた政争に敗れダンテはローマに一時滞留。そのまま汚職の罪で永久追放となり各地を放浪、二度と故郷には戻れなかった。文学史上屈指の傑作とされる『神曲』三部作は約13年をかけて執筆、完成直後の1321年、亡命先のラヴェンナで没す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まさむ♪ね
48
おお、ベアトリーチェ!ようやく逢えたと思ったら、なんなのそのそっけない態度は。こちとら地獄の谷も煉獄の山も越えて、やっとこさ地上楽園まで来たっていうのにさ。そりゃあ道中ウェルギリウス師匠におんぶにだっこで自分じゃほとんど何もしてませんよ。あれ、そういえば先生は?ししょー!どこいったんだろ、まあいいか。それにしてもベアちゃんの登場シーンはすごかったなあ。空に稲妻が走ったと思ったら長老二十四人天女七人従えてグリフィン引く華車に乗ってド派手に降臨だもの、あと霊獣もいたんだっけ?ん、なんかベアちゃん怒ってません?2016/10/13
LUNE MER
20
ダンテ(本人)のベアトリーチェ(本人)に対する妄執に圧倒されてしまい、作品の内容を素直に堪能出来ないという悲しさ。もちろん、陥っているこの感覚自体が僕自身の誤解・妄想である可能性もあるわけだが。貶めるどころか賛美の限りを尽くしているわけだが、死人(ベアトリーチェ)に口なしなのをいいことに好き放題書いている感が拭えなくて💦2022/04/14
おりん
13
口語訳された本文の下に解説がついた、初心者に優しい本。初心者にとってはキリスト教の知識や中世ヨーロッパの知識が不足しているのでいちいち解説を読む羽目になり、読書のテンポが乱れて読みにくい。この本を楽しむには、それら知識を頭に入れるか、或いはわからないところはすっ飛ばして文章の雰囲気を楽しむのが良いかもしれない。地獄篇と比べると哲学的・神学的問答があって興味深かった。あと、ダンテ自身がどのような思いでこれを書いたか想像できる箇所があって、感情移入しやすかった。2017/03/18
Francis
11
再読。寿岳訳に比べると分かりやすい訳なので面白さが良く伝わってくる。この煉獄篇は案外面白い。訳者の三浦逸雄さんの解説が簡潔ながら良い解説であり、それゆえに煉獄篇の理解を深めてくれるのも良い。訳者はカトリック信徒ではない事を解説で明言されているが、それでもカトリックの教義・神学に対する理解は相当なものだと思える。だから子息の三浦朱門さんがカトリックになられたのでしょうね。2023/12/13
Francis
10
煉獄篇は地獄篇に比べるとどうしても印象が薄くなってしまうのは仕方ないかな。煉獄なんて概念は実はカトリックの教義から消えてるから、イメージしづらいんだよね。でもこちらもダンテとウェルギリウスのやり取りなどが面白い。最後に我らがダンテの永遠の恋人ベアトリーチェ様が出てきて激しく責める辺りはさすが。しかしダンテ大先生、あなたジェンマと言う奥様がいたんでしょ?すでに亡くなったとは言え、既婚者が人妻をこんな風に崇め奉って大丈夫だったんでしょうか。2016/05/06
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