内容説明
「宵越しの銭は持たぬ」が信条の江戸っ子。彼らの多くが職人を中心とする町人であり、消費都市・江戸の経済と文化を支える原動力となった。武家の御用を満たすため諸藩や旗本の屋敷に出入りし、その近くに住んだ暮らしとはどのようなものだったのか。川柳・紀行文・名所図会ほか、多くの史料に残る庶民行事や祭祀、江戸前の食、長屋の住まいなどから、経済発展がもたらした江戸っ子の生活や文化の展開を鮮明に描き出す。
目次
1 天下様の都(八百八町いきなやりくり;金遣い経済圏の中心地;百万都市の経済のしくみ;消費都市の暮しぶり)
2 武士と商人の経済(旗本財政と高利貸;米相場のつたえかた;商人に学ぶ知恵)
3 町づくり 往まいかた(江戸に住むこと;町づくりの洋風化)
4 身のまわりの経済(町の売り声;灯りと薪炭;職人の技)
5 消費経済がもたらした文化(季節の庶民行事;祭りだ、祭りだ!;文字と絵の広がり;旅路の果て)
著者等紹介
北原進[キタハラススム]
1934年東京生まれ。立正大学教授、江戸東京博物館都市歴史研究室長などを歴任し、現在立正大学名誉教授。専門は近世民衆史。地方史研究協議会委員、東京都下の文化財保護委員などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫の煙
6
江戸の生活は、現代人が想像するよりずっと豊かで、面白味のあるものであったらしい。世界に冠たる大都会であったというのは、とても誇らしい。欲を言えば、経済をもっと掘り下げて欲しかった。2016/07/02
こずえ
2
江戸の経済・生活についてよくわかる本。 ちょいちょい聞いたことはあっても体系的にコンパクトに書いてある本がないので地味によい
しかおおう
1
江戸の生活について、経済を絡めて描き出している。江戸の人たちを身近に感じられて面白かった2020/02/23
れどれ
1
江戸時代において通貨だとか流通だとか産業だとかいった経済の諸要素がどのような実状であったと見られるか教えてくれるのは面白いのだけれども、諸要素の結びつきが切れ切れで、その経済の概観が掴みづらく、却って疑問が多く湧いた。エピソードの一つ一つはしみじみ面白い。2019/02/10
akuragitatata
0
網羅的。おもしろかった。2024/05/16