出版社内容情報
約三〇〇段からなる随筆文学。『源氏物語』が王朝の夢幻であるとすれば、『枕草子』はその実相であるといえる。中宮定子をめぐる後宮世界に注がれる目はいつも鋭く冴え、華やかな公卿文化を正確に描き出す。約三〇〇段からなる随筆文学。『源氏物語』が王朝の夢幻であるとすれば、『枕草子』はその実相であるといえる。中宮定子をめぐる後宮世界に注がれる目はいつも鋭く冴え、華やかな公卿文化を正確に描き出す。
清少納言[セイショウナゴン]
著・文・その他
石田 穣二[イシダ ジョウジ]
著・文・その他
1 ~ 1件/全1件
- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobi
77
時に直截、時に想いを籠めて綴る呼吸の変化に助けられて慣れない古文を読み進む。「遠くて近きもの」として極楽、舟の道、人(男女の)仲、なんて茶目っ気ある組み合わせ[一六二]。中宮定子と引き篭もる清少納言との間の手紙と返歌に託す痛々しいまでの想い。それも山吹と蓮の花で[一三七、二二七]。圧巻は積善寺供養の段[二六三]。一行から長くて数頁の章段の中突如二〇頁近い長さ。定子と父関白道隆を中心とする面々の光り輝く姿が鮮やかに蘇える。気丈な書き手がここではその前にひれ伏す感じ。そしてそれは過去という深い詠嘆に胸塞がる。2018/10/14
しゅてふぁん
23
原文を読み通すには簡潔でいいけれど、訳文だけでは意味を取りにくい部分もあるので『新編 日本古典文学全集/小学館』をお供にしてに読んだ。原文は本当に『読んだ』だけ。意味までは良くわからない(^^; これを読みこなすには、一体何年かかるんだろう…。でも、そう思いながら読むのも楽しい。次は講談社学術文庫に戻るか、それともお供にした小学館の全集を最初から読むか、どうしようかなっ♪2017/04/03
LUNE MER
12
読解の正確さは一旦忘れてとにかく原文のみ、まずひととおり読もう!というコンセプトの下、読了。日記的な長文パートとtweetのようなショートパートに大別されると思うが、後者の方はちょいちょい「それ分かるかも!(気持ちが)」というものがあり、可愛らしい女性だと感じることが多い。最後にある弁明文は「人が読むことは想定してなかった」のに「世に知られることになって心外だ」などど、占星術の手記かよ!という鵜呑みにできないエクスキューズであり、これもまたちと逆に可愛らしい。多分、女性としては紫式部より清少納言推し。2020/03/16
いりあ
11
平安時代中期に中宮定子に仕えた女房、清少納言により執筆されたと伝わる随筆です。古文の授業とかだと冒頭を始め、途中の段を抜粋して終わってしまうけど、それではもったいないです。もっと色々な事柄が清少納言の目を通して語られています。そうそう最近だとFGOに清少納言(キラキラのアーチャー)が登場してtwitterとかで名前を見かけましたが、マスターだったら読んでおいたほうが良いと思うよ。2020/05/12
なおこっか
5
最近の若いのは言葉づかいがなってない、などと書き残す少納言さん。なんだ我々と変わらん、わかるわかると思わせる。いやわからん、当時はそんな考え方がスタンダードなのか、という記載も含め、残っているから伝わり、波紋をよぶ。今回、読んでいくうちに道隆に好感持った。もちろん政治的な思惑ありきだと思うが、女房たちにも気を配る上司ってのは悪くない。2024/06/06
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- 和書
- 民事執行法上の保全処分