感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
15
全帖の中でも最長である若菜上・下の二帖を収録。ここに来て姪にあたる女三の宮を正妻として迎えることとなった光源氏。先行きに不安を覚える紫の上、女三の宮に懸想する柏木の密通・懐妊。昼ドラのようなドロドロとした展開に突入し、紫式部の作家としての才能を堪能。「読む度に発見がある」という条件を満足する本作であるが、別の見方をすれば「どんなに頑張ったって読み尽くすことは出来ない」とも言えそうなので、正直数割しか読解できてないのだが、気にせずにどんどん読み進めるとしよう。現代語訳もついているので原文トライアルに最適。2020/09/03
ヒロミ
8
めっちゃエキサイティングでした。原文最高じゃないですか!私が好きな場面は、女三宮と紫の上の間で板挟みになった源氏が朧月夜と密会してしまうところです。なんともリアル。しかし源氏はしょうもない中年男になってからのほうが私は憎めない。付き合いたくはないですが…。次は「柏木」「夕霧」と波乱の展開が待ち受けています。登場人物が壊れてゆく様を見守るのが第二部の醍醐味ですね。気長にぼちぼち読みたいです。2014/06/04
イタロー
3
若菜上下。盛り上がってきた。話が複雑になってくる。猫がでてくる。次もワクワク。2023/05/07
ヤベ
3
若菜からは文体が格段に(現代日本人にとって)読みやすいものに変わった気がする。簡潔な表現で人々の出家や死に向かう様が描かれるのに圧倒される。なかでも、紫の上と源氏のすれ違いは悲痛だ。なにより、それが各人が宮廷生活の慣習に従って生きたことで不可避的に引き起こされるのがあはれと感じる。2022/02/04
ヤベ
2
面白すぎたわ。柏木が女三宮の姿を見かける場面がつやっぽすぎる。人の何気ない心使いとか動きが積み上がって、それぞれは特に派手じゃないのに、描かれる場面が結果的に非常に華々しいのが源氏物語の特長で、作者の細やかな審美心が伺われる。一方で、紫の上が死ぬ場面で葵の上の時と同じくまたもや物の怪が現れて源氏に恨みのこもった愛を訴えるのもまた直接的に恐ろしい。作者が大胆なアイデア力も併せ持っているのがわかる。2023/02/05
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