内容説明
29歳のとき庄屋の妻の座を捨てて旅の俳諧師と駆け落ちした「なみ」は、夫の死後、「諸九尼」と名乗り、俳諧の宗匠として身を立てる。女性の宗匠はほとんどいなかった江戸中期、京都から九州へ、さらに、芭蕉の足跡をたどる「奥の細道」の旅にまで出ることができたのには、理由があった。旅の日記『秋かぜの記』や家族への手紙、残された句から、旅に暮らした女俳諧師の波瀾に満ちた生涯が甦る。1999年、日本エッセイスト・クラブ賞受賞作。
目次
出奔―筑後から京都へ(庄屋の家に生まれて;旅の俳諧師湖白;めぐり逢ったふたり)
彷徨―京都と大坂(行き暮れて;大坂行き;千鳥庵をむすぶ;
著者等紹介
金森敦子[カナモリアツコ]
1946年、新潟県生まれ。國學院大學文学部卒業。作家。『江戸の女俳諧師「奥の細道」を行く―諸九尼の生涯』で、99年の日本エッセイスト・クラブ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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