出版社内容情報
薬師寺の僧侶・景戒によって九世紀初頭に編まれた、日本で最初の仏教説話集『日本霊異記』。仏教の教えを説こうとしながらも規範的な思想にはとどまらない、古代人の生き方が投影されている。一寸法師の源流、奪われた衣を取り返す力持ちの女――。上代文学研究の泰斗が、『古事記』『日本書紀』などの神話からの影響や、霊異記以後の伝承とのつながりを読み解く。国の創成期、エネルギーに満ちた人々の姿が鮮やかに蘇る。
内容説明
薬師寺の僧侶・景戒によって9世紀初頭に編まれた、現存最古の仏教説話集『日本霊異記』。仏教の教えを説こうとしながらも規範的な思想にはとどまらない、古代人の生き方が投影されている。一寸法師の源流、奪われた衣を取り返す力持ちの女―。上代文学研究の泰斗が、『古事記』『日本書紀』などの神話からの影響や、霊異記以後の伝承とのつながりを読み解く。国の草創期、エネルギーに満ちた人々の姿が鮮やかに蘇る。
目次
第1講 小さ子とトリックスター
第2講 一寸法師の源流
第3講 力持ちの女
第4講 神婚神話のゆくえ
第5講 恩返しの発生
第6講 盗みという罪悪
第7講 悩ましき邪淫
第8講 行基の奇行
第9講 語られる女たち
第10講 あの世からもどった人、地獄を語る人びと
補講1 霊異記説話の“夢”
補講2 文学史のなかの『日本霊異記』
著者等紹介
三浦佑之[ミウラスケユキ]
1946年、三重県生まれ。成城大学文芸学部卒業。同大学院博士課程単位取得退学。共立女子短期大学教授、千葉大学教授、立正大学教授などを歴任。千葉大学名誉教授。専攻は古代文学、伝承文学研究。著訳書に『村落伝承論』(五柳叢書、第5回上代文学会賞)、『口語訳 古事記“完全版”』(文藝春秋、第1回角川財団学芸賞)、『古事記を読みなおす』(ちくま新書、第1回古代歴史文化みやざき賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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