出版社内容情報
美人画を得意とした浮世絵師、喜多川歌麿。蔦屋重三郎のもとで出版した狂歌絵本『画本虫撰』や『百千鳥狂歌合』などの評価絵本でその画才を認められ、寛政前期には、《ホッピンを吹く娘》を含む『婦女人相十品』『婦人相学十躰』の揃物や、『当時三美人』など、女性の半身像を描いた大首絵を次々と発表して人気を博す。特に蔦重版では、華やかな雲母摺を背景に、女性たちを表情豊かに、その内面までも描き出した。卓越した画力を示す傑作の数々を詳説する歌麿入門の決定版。
内容説明
美人画を得意とした浮世絵師、喜多川歌麿。蔦屋重三郎のもとで出版した狂歌絵本でその画才を認められ、寛政中期には「ポッピンを吹く娘」を含む「婦女人相十品」「婦人相学十躰」など、女性の半身像を描いた大首絵を次々と発表して人気を博す。華やかな雲母摺を背景に、様々な身分や職業の女性たちの生き生きとした姿や豊かな表情のみならず内面までもたくみに描き出した。『画本虫撰』から「当時三美人」まで、卓越した技巧に満ちた傑作群を詳説する決定版。
目次
第1章 狂歌と蔦重
第2章 狂歌絵本
第3章 大首絵
第4章 美人似顔絵
第5章 質感再現
第6章 母と子/働く女たち/恋人たち/肉筆画
著者等紹介
大久保純一[オオクボジュンイチ]
1959年徳島県生まれ。国立歴史民俗博物館及び総合研究大学院大学教授、町田市立国際版画美術館館長。浮世絵を中心に近世日本美術を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ジュンジュン
11
美人画でおなじみの喜多川歌麿。残念ながら生涯はほとんど分からないそうだ。残された作品から、彼の革新性と彼を規制した時代背景(寛政の改革)を推察していく。美人画を理想美から似顔絵に近づけた事に歌麿の魅力があるという。それもあくまで理想美の枠内で。たくさんのカラー図が載っているが説明がないと気づけないぐらい?絶妙に。2024/11/16
takakomama
7
歌麿の作品を主題ごとに、オールカラーの図版と共に解説。歌麿は役者絵は描かず、美人画の大首絵で女たちの心の襞まで描き、繊細な表現で着衣の質感を再現したそうです。2025/03/11
果てなき冒険たまこ
2
最近出た本らしいけど喜多川歌麿のみを取り扱うというなかなか潔い本。第一章は狂歌と蔦重なんて大河狙い見え見えな気もするけど中身的にはちゃんといろんなところを抑えてあって勉強した気分にしてくれる。個人的に歌麿はそれほどメインで観に行く絵師さんではないのだけどこんな本を読むとまとめて観たくなるよね。浮世絵もちゃんとカラーで載せてあってとても親切。文庫本だからサイズ的には不満が残るけどまぁそれはしょうがない。このジャパノロジーシリーズはほかにも出版されてるみたいだから探してみるか。2024/12/06
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