出版社内容情報
腐敗し白骨化してゆく亡骸の変化を、九つの段階で描く九相図。仏教とともに伝来し、日本に深く根を下ろしたこの不浄の絵画は、無常なる生命への畏れ、諦念、執着を照らし出す。精気みなぎる鎌倉絵巻から、土佐派や狩野派による新展開、漢詩や和歌との融合、絵解きと版本による大衆化、そして河鍋暁斎や現代画家たちによる継承と創造へ――。芸術選奨新人賞・角川財団学芸賞ダブル受賞作に補遺を付し、全作品をカラー掲載する決定版。
内容説明
腐敗し白骨化してゆく亡骸の変化を、九つの段階で描く九相図。仏教とともに伝来し、日本に深く根を下ろしたこの不浄の絵画は、無常なる生命への畏れ、諦念、執着を照らし出す。精気みなぎる鎌倉絵巻から、土佐派や狩野派による新展開、漢詩や和歌との融合、絵解きと版本による大衆化、そして河鍋暁斎や現代画家たちによる継承と創造へ―。芸術選奨新人賞・角川財団学芸賞ダブル受賞作に補遺を付し、全作品をカラー掲載する決定版。
目次
序 九相図の一五〇〇年
第1章 九相図とは何か
第2章 九相図の源流―西域・中国から古代日本まで
第3章 中世文学と死体
第4章 「九相図巻」をよむ―中世九相図の傑作(一)
第5章 国宝「六道絵」の「人道不浄相図」をよむ―中世九相図の傑作(二)
第6章 「九相詩絵巻」をよむ―漢詩・和歌と九相図の融合
第7章 江戸の出開帳と九相図
第8章 現代によみがえる九相図
補遺 朽ちてゆく死体の図像誌―戦の時代の九相図
著者等紹介
山本聡美[ヤマモトサトミ]
1970年、宮城県生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専門は日本中世絵画史。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学)。大分県立芸術文化短期大学専任講師、金城学院大学准教授、共立女子大学准教授・同教授を経て、2019年より現職。『九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史』(角川選書)で平成27年度芸術選奨文部科学大臣新人賞・第14回角川財団学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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