出版社内容情報
時に宗教的かつ芸術的――虚子から「花鳥諷詠真骨頂漢」から称を受け、「茅舎浄土」と評されたこの早逝の俳人は、同時代の俳人が一目置く存在であった。全988句に、散文・年譜・新旧解説を付す決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さゆ
117
花鳥諷詠真骨頂の名に劣らず、自然をこれでもかと美しく表現されている。弱病に伏し夭折した茅舎は、この世を生きることがある種の観光旅であり、目に映るひとつひとつが輝いて見えていたのだろう。 「金剛の 露ひとつぶや 石の上」 「月光に 深雪の創 かくれなし」 「朴散華 即ちしれぬ 行方かな」2024/01/07
あや
14
17歳で俳句を始め44歳で夭逝した俳人なので作品が少ない。闘病中に自然への強い憧れを詠んだ句に心惹かれます。2022/02/19
やま
12
「金剛の露ひとつぶや石の上」露の茅舎と呼ばれた川端茅舎の最初の句集(昭和9年)の最初は露の句に始まり、16句目にこの句がある。その後も露の句を多く作った。昭和8年10月に一気に作ったという5句の露の句もこれだけの観察から出てくるものなのだろう。◇川端茅舎の鑑賞が面白い。虚子の句の鑑賞がほとんどだが、その鑑賞の深さ、発想の展開の見事さは茅舎の句と同じである。◇俳諧新涼は露の消息について綴られた随筆というべきか日記というべきかであるが、この観察力も素晴らしい。◇自句自解もあり、その背景を辿ることができる。2022/02/27
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