出版社内容情報
ブランデーを酌み交わす3人の論客が政治談議にふけっている。弱小国こそあえて民主制の理想を追うべきと説く洋学紳士。列強に伍して大国化を目指し、戦争も厭わないと述べる豪傑の客。やがて、黙して耳を傾けていた南海先生が口をひらく――。東洋のルソー・中江兆民が自身の学問のすべてを注ぎ込んだ理論書。政治とは何か。理念か、現実か。国家、外交、平和をめぐる日本政治思想の重要古典にして最良の政治学入門がよみがえる。
「南海先生は生まれつき非常に酒好きで、また政治を論じることが大好きである。そして酒を飲むと、一、二本ばかり飲み干す場合、ほろ酔い加減で、気分がふらつき虚空を飛んでいるようだ。耳目は楽しんでこの世に辛いことがあるなど、まったく思いもよらない。」 ──「現代語訳」より
内容説明
ブランデーを酌み交わす3人の論客が政治談議にふけっている。弱小国こそあえて民主制の理想を追うべきと説く洋学紳士。列強に伍して大国化を目指し、戦争も厭わないと述べる豪傑の客。やがて、黙して耳を傾けていた南海先生が口をひらく―。東洋のルソー・中江兆民が自身の学問のすべてを注ぎ込んだ理論書。政治とは何か。理念か、現実か。国家、外交、平和をめぐる日本政治思想の重要古典にして最良の政治学入門がよみがえる。
目次
三酔人経綸問答 現代語訳
三酔人経綸問答 原文
著者等紹介
中江兆民[ナカエチョウミン]
1847(弘化4)年、高知生まれ。本名、篤介。71年に明治政府のフランス派遣によって留学。帰国後は仏学塾を設立し、東京外国語学校長、元老院権少書記官を務める。81年、西園寺公望らとともに「東洋自由新聞」を創刊し、主筆として自由民権論を展開。民主主義思想やルソーの社会契約論を説く『民約訳解』『三酔人経綸問答』などの著作を発表。富国強兵政策や明治憲法を批判する政治活動を行い、90年、衆議院議員に当選した。『一年有半』『続一年有半』などの著作を残し、1901(明治34)年、没
先崎彰容[センザキアキナカ]
1975年東京都生まれ。日本大学危機管理学部教授。東京大学文学部倫理学科卒業、東北大学大学院文学研究科日本思想史専攻博士課程単位取得修了。フランス社会科学高等研究院に留学。文学博士。専攻は近代日本思想史・日本倫理思想史。著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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