内容説明
『臨済録』をどう読むかという課題。臨済義玄の語った禅とはいかなるものかを唐代禅思想史の視野のもとに、語義の精密な語学的解析、テクストの正確な文献学的分析による禅語録の思想史的読解の試み。
目次
1 江西黄檗山における大悟
2 河北臨済院(1)
3 河北臨済院(2)
4 河北臨済院(3)
5 河陽府王常侍昇座を請う
6 増補
7 遷化
8 示衆(1~18)
9 補遺
著者等紹介
衣川賢次[キヌガワケンジ]
1951年兵庫県生まれ。現在、花園大学文学部特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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一樹真人
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緻密にして仔細極まる注釈。臨済録に関する限り、この本よりも仔細な注釈を施したものはおそらくない。臨済禅は、無位真人、無依道人、無事貴人の三テーゼを実生活において体悟することにすべてを賭けている。字面上では、自己というものを強調してそれを信じて生きなさいと言っているから、仏教の無我の根本テーゼに反した有我論を説いていると受け取られかねないが、その我とは六根を発揮させている一念心にあり、その一念心は、光とも形容されているように、瞬間的で実体性のないものであって、やはり空を信じ、空を生きなさいということである。2024/08/02
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