出版社内容情報
日本の文芸術は「歌」から始まる。そこから技を磨いていった。歴史と想像入り混じる「虚実皮膜」で遊ぶ近松・南北・秋成、「私小説」というジャンルを築いた四迷・独歩・花袋。日本文学を案内する第一弾!
目次
第1章 詠む/写す/代わる(橋本達雄編『柿本人麻呂』―一五〇〇夜;松尾芭蕉『おくのほそ道』―九九一夜 ほか)
第2章 虚実をまぜる(紀貫之『土佐日記』―五一二夜;近松門左衛門『近松浄瑠璃集』―九七四夜 ほか)
第3章 「私」がはぐれている(二葉亭四迷『浮雲』―二〇六夜;国木田独歩『武蔵野』―六五五夜 ほか)
第4章 少しエロチックにする(田中貴子『聖なる女』―六五六夜;宮田登『ヒメの民俗学』―五三七夜 ほか)
著者等紹介
松岡正剛[マツオカセイゴウ]
編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。70年代にオブジェマガジン「遊」を創刊。80年代に「編集工学」を提唱し、編集工学研究所を創立。その後、日本文化、芸術、生命科学、システム工学など多方面におよぶ研究を情報文化技術に応用しメディアやイベントを多数プロデュース。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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読書という航海の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
90
この文庫版も23冊目となって今後も続いていくのでしょうか?今回は私の読んだ本がかなりあって参考になりました。日本の古典ー奥の細道、土佐日記、雨月物語など―あるいは虚子、半村良、五木寛之、つげ義春、村田紗耶香までのかなり広い範囲での評論が述べられています。結構以前にWebで読んでいたものがありました。Webの方が本に感想などを松岡さんが書きこんでいる痕跡も見えるので考え方の軌跡が参考になります。2022/03/03
がんちゃん
1
久しぶりに、いろいろと刺激のある読書であった。読んでみたくて書店に走ったが、すぐには手に入らないのが残念です。①日本アパッチ族②風の王国、それから田中貴子さんの著作を探す。松岡正剛さんって結構有名人なのね。世間知らずの私です。2023/05/24
Shori
1
Web 梶井基次郎の檸檬創作の裏側が面白い。外からの勝手なイメージとの違い。作家が確信犯的に書いた表現の切れ味。2023/02/19
じろう
1
松岡正剛さんの千夜千冊シリーズは好きでずいぶん読んでいる。書評を読んで、読んでみたいなあと思うことも多い。この冊に関してはあまり読みたくないなあと思う本があった。鈴木いずみ(若い頃読んだけど。)なんか怖いよなあ。女の情念というか。松浦理英子これも絶対読みたくない。女が静を真っ向勝負で語るからか、レズビアニズムだからか、男の性露悪は平気なのに(同書で扱われている好色一代男はぜひ読んでみたい。)女は否定しちゃうのか。説明付かないし、いい言葉も見つからない。2022/11/02