出版社内容情報
黒船来航直後、幕末の江戸を大地震が襲った。安政5年、これにコレラが追い打ちをかける。3日で死ぬといわれたコレラ。それを操るとされた悪狐を倒すため、強い霊力を持つ御神犬や御札を求め、さらには京から神社を勧請。無礼講の祝祭に走った。当時の人々がどのようにコレラと闘ったのか、東海の村に残る記録から再現。民衆の迷信と笑えない。新型コロナ騒動を彷彿とさせる、おかしくもたくましい庶民たちの姿を活写する。
内容説明
黒船来航直後、幕末の江戸を大地震が襲った。安政5年、これにコレラが追い打ちをかける。3日で死ぬといわれたコレラ。それを操るとされた悪狐を倒すため、強い霊力を持つ御神犬や御札を求め、さらには京から神社を勧請。無礼講の祝祭に走った。当時の人々がどのようにコレラと闘ったのか、東海の村に残る記録から再現。民衆の迷信と笑えない。新型コロナ騒動を彷彿とさせる、おかしくもたくましい庶民たちの姿を活写する。
目次
1 名主の見た幕末の「不安」(幕末社会へのアプローチ;災厄情報と世直し;災厄に立ち向かう人々)
2 コレラの恐怖と妄想(大宮町のコレラ;アメリカ狐からイギリス疫兎へ―死の恐怖と妄想;くだ狐に三峯山の御犬―コレラの徐祭儀礼;コレラ騒動から見えてくるもの)
3 京都・吉田神社を勧請する(代参による勧請;飛脚便による勧請;コレラ騒動と吉田神社)
4 アメリカ狐と三峯山御犬拝借(御宿村の御神犬拝借;開港下、伊豆下田の狐狩;安政五年の武州秩父三峯神社)
5 江戸のコレラ騒動―禦ぎから祝祭へ(安政五年七月、コレラ江戸を襲う;コレラの大流行;禦ぎの信仰と儀礼;公儀の対策;コレラを洒落のめす)
著者等紹介
高橋敏[タカハシサトシ]
1940年静岡県下田市生まれ。東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。国立歴史民俗博物館・総合研究大学院大学名誉教授。文学博士。フィールドワーク主体の地域史研究に取り組んできた。民衆教育史、生活文化史、社会史、民俗史、博徒史など多岐にわたる。近年は正史に対する稗史を提唱している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
パトラッシュ
bapaksejahtera
やまはるか
乃木ひかり