内容説明
かつてこの国にあった美童文化。江戸・明治の錦絵に刻まれた男倡の影。文豪が変名で寄せた同性愛小説。菊、梅、杜若、水仙の華に込められた、若契と衆道のサイン―。幾重にも響きあって呼応する文化の複層にわけいれば、ときに秘され、ときに失われた男色の景色が浮かびあがる。万葉集の相聞歌から、平安貴人の日記、世阿弥、琳派、三島由紀夫、川端康成、中原淳一まで。今はなき東京の盛り場を訪ねた「東都戦後男色地図」を増補。
目次
第1章 嘆息
第2章 連れ鳴く雁
第3章 一条の水脈
第4章 華苑
第5章 そへ歌
第6章 礼装
東都戦後男色地図―あとがきにかえて
著者等紹介
丹尾安典[タンオヤスノリ]
1950年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。早稲田大学文化構想学部教授。美術史・イメージ分析を主領域としながら、多岐にわたる分野の論文や評論を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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