角川ソフィア文庫<br> 鉄条網の世界史

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角川ソフィア文庫
鉄条網の世界史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784044004545
  • NDC分類 361.8
  • Cコード C0122

出版社内容情報

潜在能力を秘めたローテク兵器が、人間社会に苛烈な運命をもたらしている【目次】(主なもの)

第一章 西部開拓の主役
カンザス州の「鉄条網博物館」/切実な柵の不足/万能フェンスの登場/入植者が必要とした柵/ウシの大軍がやってきた/牧場主と入植者の戦い/職を失うカウボーイ

第二章 土壌破壊と黄塵
加速する西部開拓/鉄条網が変えた生態系/開拓進む大平原/土壌破壊の米国史/大型農業機械の導入/大砂塵の襲来/放牧規制がはじまる

第三章 塹壕戦の主役
戦場に出現した鉄条網/日本軍が手を焼いた鉄条網/塹壕戦のはじまり/西部戦線異常なし/戦場のクリスマス/日本への導入/鉄条網と現代戦

第四章 「人種の罪」と憎悪のフェンス
強制収容所の歴史/南アフリカの植民地化/ダイヤ・ラッシュ/各収容所の劣悪な環境/スペイン内戦の悲劇/アウシュヴィッツの殺人工場/元収容者が苦しむ後遺症/人間の資源化/旧ソ連の強制収容所/逆境でも花を愛でた日系

第五章 民族対立が生んだ強制収容所
南アのアパルトヘイト政策/活動家の迫害/集団墓地になった五輪会場/「民族浄化」と集団強姦/サラエボの花/世界を「欺いた」映像/戦争と情報戦/最後の逃亡戦犯を拘束

第六章 国境を分断する鉄条網
ベルリンの分断/ヨルダン川西岸の壁/壁を超えた臓器提供/米メキシコ国境/世界最大の麻薬密輸ルート/中国・北朝鮮の壁/新たな万里の長城/タイ・マレーシア国境

第七章 追いつめられる先住民
大平原を分断した鉄条網/チェロキー族の悲劇/ラストサムライ/遅きに失した先住民保護/グアラニー族の悲劇/死に急ぐ若者たち/ケニア独立運動時の裁判開始/ウサギ防除フェンス

第八章 よみがえった自然
鉄条網は自然を呼び戻す/朝鮮半島の軍事境界線/チェルノブイリ原発三〇キロ圏/再導入された希少動物/科学者の反目

石 弘之[イシ ヒロユキ]
著・文・その他

石 紀美子[イシ キミコ]
著・文・その他

内容説明

農作物を家畜などから守ることを目的に約160年前に発明された鉄条網は、いつしか人と人とを隔てる強力な暴力兵器へと変貌を遂げた。先住民が押し込められた居留地、アウシュヴィッツ強制収容所、アメリカ‐メキシコの国境―著者は世界中から資料を掘り起こし、現地取材を重ね、人間の外敵排除の心理がこのシンプルな道具とともに顕在化し、爆発的に膨張したことを明らかにする。鉄条網を通して見る、もう一つの近現代史。

目次

第1章 西部開拓の主役
第2章 土壌破壊と黄塵
第3章 塹壕戦の主役
第4章 「人種の罪」と憎悪のフェンス
第5章 民族対立が生んだ強制収容所
第6章 国境を分断する鉄条網
第7章 追いつめられる先住民
第8章 よみがえった自然

著者等紹介

石弘之[イシヒロユキ]
1940年、東京都生まれ。東京大学卒業後、朝日新聞社に入社。その後、国連環境計画(UNEP)上級顧問(在バンコク、ナイロビ)、東京大学大学院教授、ザンビア特命全権大使、北海道大学大学院教授などを歴任。英国ロイヤルソサエティ(RSA)会員。国連ボーマ賞、国連グローバル500賞、毎日出版文化賞をそれぞれ受賞

石紀美子[イシキミコ]
東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、NHK(日本放送協会)に入局。科学番組部、社会情報番組部に所属し、その後退社。2000年から03年までボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボの国連機関に勤務、戦後復興プロジェクトに従事して、ボスニアの公共放送局設立を担当。帰国後は、フリーでテレビ番組や映画などを製作。サンフランシスコ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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活字スキー

28
新聞記者、国連職員、大学教授等の職歴を渡ってきた著者による2013年刊『鉄条網の歴史』を加筆・改題した文庫版。タイトルをより丁寧にするなら『鉄条網に彩られた暴力の歴史』といったところか。鉄条網。それは極めてシンプルかつ低価格、軽量で取り扱いも簡便にして、効果的にその場を「分断」する世紀の発明。それはマニフェスト・デスティニーに沸く西部開拓時代のアメリカで生まれ、またたく間に世界各地、縦横無尽に広がっていった。 2021/01/26

4fdo4

17
鉄条網を「威圧的」だったり「ダーク」と感じるのは私だけではないはずだ。鉄条網(有刺鉄線)は1874年にアメリカで生産が開始された。当初は西部開拓時代であり、広大な土地で農作物を家畜から守る為に考えられた。木材の不足や金属線だけではバッファローに突破されたりなどの事情があった。この発明が、先住民族の隔離という「人と人の隔離」へ使われ、戦場では防衛線となった。本著の後半のテーマになる国境分断や強制収容所の歴史は、国連勤務経験のある著者の視点と知識が盛り込まれるが、鉄条網本来の歴史からは逸れていく。 2019/04/29

リキヨシオ

16
何の変哲のない「トゲ付き鉄線・鉄条網」は開拓時代の米国で誕生!当初は牧場の家畜を囲う目的で発明され、安価で効率的で大量生産可能になったの背景に需要が広がる。鉄条網の普及によりカウボーイの激減…だけにとどまらず、草原などの本来の生態系のも変化をもたらした。鉄条網は戦争にも登場する。敵兵の侵入を防ぐ防御の役割を果たす。強制収容所などでの強制的な人の収容、国境における国と国の分断…農業から軍事や隔離…鉄条網が世界史に及ぼした大きな影響に驚いた。2020/04/08

しんこい

12
子供のころバラ線は痛くておっかないものだったが、まったくその効果が有効で、農場から戦場、収容所、国境といたるところで使われる。ローテクだが、発明品でもあるのだ。鉄条網は狂言回しで、内容は現代史、それもえぐい部分。マフィアとか犯罪組織は出てこないが、使わなかったのか。2019/04/30

kawasaki

11
原著2013、加筆文庫化2019。鉄条網(有刺鉄線)というモノから歴史と現代社会を見ていく。比較的身近にもあるような一つのモノの発明が、社会を変え産業を変え認識を変え環境を変えていく様は、藤原辰史『トラクターの世界史』(2017)と少し似た読み心地。ただ、人間の分断や「排除」の暴力を論じようとする指向が前に出て、鉄条網そのものがあまり語られない部分も多い感。記者や国際機関職員といった経歴を持つ著者(石弘之氏)の経験談も興味深く、アフリカで鉄条網に引っかかった話などは怖さを実感できる。2020/09/09

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