出版社内容情報
盧溝橋事変より80年。
生前の張学良に直接取材をした日本人作家が、20年以上をかけて明らかにした歴史秘話!!
半藤一利氏(作家)
「20世紀、戦争と革命の歴史のなかに、温かな情が交わされていた。張学良の秘史は、世界が緊張関係にある現在にこそ活きるだろう。本書の刊行も、歴史的事件だ」
山田洋次氏(映画監督)
「波瀾万丈の人生とはこの人のための言葉だろう。動乱の20世紀を生き抜いた風雲児張学良は『戦争は人間のすることではない』と言い切った紳士だった」
西安事変。中華人民共和国誕生の遠因ともなった大事件を、一人の男が起こした。
1901年。軍閥・張作霖の長男として生まれ、2001年百歳で世を去った張学良である。20世紀中国の歴史をそのまま背負って生きた男である。
生前の張学良に直接取材した著者に、彼はこう切り出した。「あなたには、私と女性のことを話しましょう」
蒋介石夫人・宋美齢、ムッソリーニ令嬢・エディ、幽閉時代を支えた妻と秘書に最高の女友達……。
戦争と革命の渦中にあった、知られざる”情の歴史”を甦らせたノンフィクション!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りらこ
23
張学良の一生を女性を軸として分析、描いた一冊。きっと若い頃の張学良は、貴公子という雰囲気とどこか含羞を帯びた感じが魅力的だったのだろうね。西安事変後ずっと監禁された半生。生まれを呪うことはなかったのだろうか。大陸の地を踏めずに亡くなったのは無念だろう。蒋介石ってどうなの?と考えてしまう。一夫多妻制なのもすごい。取材が綿密。事実と女性から見た視点と時々張学良の視点も書かれていた。張学良の一生を知ることは近代中国の歴史を知ることだ。2021/07/06
崩紫サロメ
19
張学良より30歳下、満州生まれの著者が1992年、92歳の張学良に行ったインタビューをもとにしている。千古の英雄とも、花花公子とも言われる張学良は、自分の付き合いのあった女性たちのことを著者に語りたかったらしく、本書はこのタイトルのような内容になっている。ただ、読んでいると張学良の語った部分を大幅に補足するかたちで関係のある女性の手記などが紹介されており、それらと張学良の言っていることの食い違いも興味深い。2022/11/04
CTC
9
7月の角川ソフィア文庫新刊(同シリーズは独立レーベルではなく、奥付は角川文庫となっている)。単行本は14年同社、タイトルは『国と世紀を変えた愛』であったそうだ。単行本タイトル通り、本書は張学良の歴史的な行動にまつわる知られざる話を書くのではなく、学良を巡る女たち、が主題である。 張学良といえば、阿片中毒でまともな判断力もないと噂されながら、“易幟”と“西安事件”という偉業を成し、当時の日本を大いに苦しめた人物と認識され、謎が多い。その一端を知られればと思い手に取ったが、これは羊頭狗肉も甚だしい(苦笑)。2017/11/17
Masakazu Fujino
4
張学良について、その人生を取り巻く女性たちから説いた本。張学良という謎の多い人物の一端に触れることのできる貴重な本であると思う。2019/03/24
秋はeuglena
3
浅田次郎さんの天子蒙塵を読んでからこの本を読んだ。あの頃学良はこんな事していたんだと思うと面白かった。2022/06/19
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