出版社内容情報
語り手と登場人物が話し合い、名前が決められ世界が作られ、プログラムに沿って物語が始まる。しかし…知的で壮大、刺激的な私小説。
小説の書き手である「わたし」は、物語を始めるにあたり、日本語の表記の範囲を定め、登場人物となる13氏族を制定し、世界を作り出す。けれどもそこに、プログラムのバグともいうべき異常事態が次々と起こり、作者は物語の進行を見守りつつ自作を構成する日本語の統計を取りつつ再考察を試みる……。
プログラミング、人口知能、自動筆記…あらゆる科学的アプローチを試みながら「物語」生成の源流へ遡っていく一方で、書き手の「わたし」は執筆のために喫茶店をハシゴし、京都や札幌へ出張して道に迷い、ついにはアメリカのユタ州で、登場人物たちと再会する……。情報技術は言語の秘密に迫り得るか? 日本語の解析を目論む、知的で壮大なたくらみに満ちた著者初の「私小説」であり、SFと文学の可能性に挑んだ意欲作。
内容説明
文学と言語とプログラミングが、登場人物と話者が交叉する…。物語生成の源流を遡行し、宇宙の彼方を目指す、私小説を自称する「私小説」。
著者等紹介
円城塔[エンジョウトウ]
1972年北海道生まれ。東京大学大学院博士課程修了。2007年「オブ・ザ・ベースボール」で第104回文學界新人賞を受賞し、デビュー。2010年「烏有此譚」で第32回野間文芸新人賞、2011年、第3回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞、2012年「道化師の蝶」で第146回芥川龍之介賞受賞。2014年、“Self‐Reference ENGINE”でフィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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